
ディーラーローンと銀行のマイカーローンを比較!金利や審査基準の違いを解説
車を購入する時に利用するディーラーローンと銀行のマイカーローンには、それぞれメリットとデメリットがあります。2つを比較しながら、十分に検討したうえで選ぶことが大切です。この記事では、ディーラーローンと銀行のマイカーローンの金利や審査基準の違いについて解説します。
Supervisor監修者
2級FP技能士岩崎 祐二
ライフとキャリアを総合した視点で、人生設計をマンツーマンでサポート。商品販売を一切しない、お客様に寄り添ったご提案を心がけています。日々の家計管理から、数十年先に向けた資産設計まで実行支援しています。
車の購入時に組めるローンは主に2つ

まずは、車の購入時に組めるディーラーローンと銀行のマイカーローンの2つについて解説します。
ディーラーローン
車を購入するためにディーラーで組むローンがディーラーローンになります。ディーラーとは、自動車メーカーと特約契約を結んだ正規販売店のことです。ディーラーは特定のメーカーのみ扱うため、独自の技術や機能を搭載した車を選べたり、購入後にサポートが受けられたりします。
ディーラーローンでは、車の購入手続きと同時にローンを組めるのが特徴です。ディーラーローンは、ディーラーが提携するクレジットカード会社や信販会社、保証会社が提供しています。
銀行のマイカーローン
車の購入を目的として銀行で組むローンがマイカーローンになります。銀行のローンには住宅ローンや教育ローン、カードローン等の種類があり、マイカーローンはそのうちの1つです。
マイカーローンを提供するのは都市銀行、地方銀行、ネット銀行等さまざまな銀行があります。マイカーローンを契約するための審査基準や金利は、銀行ごとに異なります。
ディーラーローンと銀行のマイカーローンの違い

ディーラーローンと銀行のマイカーローンは、金利や審査基準においてさまざまな違いがあります。
金利
ディーラーローンでの金利は年3~10%程度、銀行のマイカーローンでは年1~5%程度が相場です。同じ条件で2つの金利を比較した場合、ディーラーローンより銀行のマイカーローンの方が低くなる傾向にあります。
審査基準
車の購入での審査基準は、ディーラーローンよりも銀行のマイカーローンの方が厳しい内容となっています。そのため、銀行のマイカーローンで審査が通らなかったとしても、ディーラーローンでは通る可能性があります。
審査される項目には、年齢や仕事の勤続年数、雇用形態、年収、他の借入状況等があります。また、希望の借入額によって、審査結果が変わります。一方で、購入するのが新車か中古車かによって審査結果が変わることは少ないです。
所有権
ディーラーローンで車を購入した場合、完済するまでの車の所有者はディーラーとなります。一方で、銀行のマイカーローンの場合、所有者は自分です。所有権が自分にあるのかディーラーにあるのかによって、売却や買替え時の制限が異なります。
また、ディーラーローンでは、借入を完済後に名義変更手続きが必要となります。
保証料
ローンを組むための保証人の代わりを保証会社へ委託する場合、保証料が発生します。ディーラーローンでは、購入者が保証料を負担することが多いです。
銀行のマイカーローンでは、借入先の金融機関が負担するケースが多いです。保証料は借入額の1~2%程度が相場です。保証料の負担の有無によって、車の購入にかかる費用の総額が変わります。
ローンのお使いみち
ディーラーローンで借りたお金は、車体の購入にのみ使えます。一方、銀行のマイカーローンでは、車体だけでなく整備費や車検にかかる費用等、幅広い用途に使えます。
車を購入する際には、車体だけでなくさまざまなことに費用が発生します。必要な費用を現金ではなくローンで準備したい場合には、銀行のマイカーローンが安心です。
お申込みのタイミング
ディーラーローンは、車の購入と同時に申込みます。銀行のマイカーローンは、購入する車を決める前にお申込み可能です。
購入する車を決める前にローンが組めるか確認したい場合や、購入する予算を決める場合には、銀行のマイカーローンが適しています。ローンを契約した翌月から返済が始まるため、購入や納車の時期とは関係ない場合がある点にご注意ください。
メリットとデメリットを比較

ディーラーローンと銀行のマイカーローンのどちらを選ぶか検討するためには、メリットとデメリットを比較することが大切です。
ディーラーローン
メリット
ディーラーローンは審査に通りやすいうえに、購入と同時に手続きが可能です。早ければ審査結果が即日で出る場合もあり、車の購入手続きをすばやく進められます。ローンの審査基準を満たしているか不安、手続きに手間をかけたくないという人にはメリットといえます。
また、ディーラーでの手続きは土日や祝日でも可能なため、平日は忙しくて時間が取れなくても問題ありません。
デメリット
ディーラーローンは、金利が年間3〜10%と比較的高く設定されているのがデメリットです。例えば、300万円を5年間で返済すると、金利による差は次の表の金額になります。
金利2% |
金利5% |
|
借入金額 |
300万円 |
300万円 |
1ヶ月の支払い |
5万2,583円 |
5万6,614円 |
総返済額 |
315万4,996円 |
339万6,822円 |
利息の総額 |
15万4,996円 |
39万6,822円 |
このように、数%金利が違うだけで最終的に10万円近く差が生まれてしまう場合もあります。
利息の支払いや総返済額を可能な限り低く抑えたい人にとって、ディーラーローンの金利が高い点は大きなデメリットといえます。
銀行のマイカーローン
メリット
銀行のマイカーローンは金利が比較的低いため、利息の総額が安くなることが最大のメリットといえます。また、マイカーローンの契約期間での所有権は自分にあるため、返済途中でも自由に売却や買替えができます。
そのほか、WEB上でお申込みからお借入れまで可能な銀行も増えており、平日は忙しくて時間が取れなくても問題ありません。
ディーラーローンと異なり購入時以外にも借入や借換が可能な点もメリットです。
デメリット
審査基準が比較的厳しい点は、銀行のマイカーローンのデメリットといえるでしょう。また、審査に時間がかかってしまうため、すぐに購入したい人にとっては利便性が低くなってしまいます。手間を減らしたい人にとって、販売店と銀行で複数の手続きが必要となると面倒に感じてしまうかもしれません。
ディーラーローンと銀行のマイカーローンを選ぶ時のポイント

車の購入時には、購入費用だけでなく、ローンの返済や将来の売却、買替えまで想定しておくことが大切です。ここからは、ディーラーローンと銀行のマイカーローンを選ぶ時に押さえておきたいポイントについて解説します。
必要な予算を決める
ディーラーローンと銀行のマイカーローンのどちらにするか検討する前に、車の購入に必要な予算を決めることが大切です。
車体の価格だけでなく、頭金や保証料、購入後の車検や税金にかかる費用、任意保険の支払い等、検討する費用は多岐にわたります。ローンの返済以外にも、必要な費用の相場を確認したうえで計画しておくと安心です。
審査の条件を確認する
ディーラーローンと銀行のマイカーローンでは審査の基準が違うため、自分の条件で通るか確認しておきましょう。販売店や銀行ホームページの商品案内を確認したり、仮審査をしたり、事前に確かめたうえで検討を進めるとスムーズです。
ローン返済中の買替えや売却の可能性を想定しておく
返済中に買替えや売却をする場合、売却額で一括返済する、新しい車のローンに上乗せする等の方法があります。一括返済では売却額が残債を下回っていると、不足額を補うために貯金を切り崩したり、別途借入をしたりする必要があります。新しい車のローンに上乗せする場合、審査の難易度が高くなってしまいます。車の購入時には、完済までの期間で買替えや売却をする可能性があるか、十分に検討しておくと安心です。
まとめ

ディーラーローンと銀行のマイカーローンは、借りる人の状況によって最適な方法が異なります。希望の借入額や返済額だけでなく、審査の条件や車体以外にかかる費用を含めて検討しておくことが大切です。ディーラーローンと銀行のマイカーローンの違いを整理して、最適な方法を検討しましょう。
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