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私立大学の学費はいくらかかる?学部別の費用と資金を準備する方法を解説

私立大学の学費はいくらかかる?学部別の費用と資金を準備する方法を解説

私立大学は国公立大学に比べると学費が高いことで有名ですが、具体的な金額までは知らないという人も多いかもしれません。この記事では私立大学の学部別費用と、必要な資金を準備する方法について解説します。

2024年12月27日 かりる

私立大学の学費は学校・学部によって変わる

お金とノート

私立大学は国公立大学と異なり、個々の大学が独自に学費を決めることが可能です。そのため、進学先によってかかる学費が異なります。

学費の平均は4年間で450万円

文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」によると、令和5年度の初年度納入金の平均額が1,477,339円、2年目以降の授業料の平均額が959,205円でした。

出典:文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」

計算しやすくするために、初年度でかかる学費(入学金、施設設備費含む)を150万円、2年目以降でかかる学費を100万円とすると、大学の学費は4年間で450万円必要な計算になります。

同じ私立大学でも学部によって学費は異なる

同じ私立大学であっても、進学する学部によって学費が異なる点にも注意が必要です。文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」によれば、学部の区分別の初年度納入金の平均額は以下のように分布しています。

学部区分別初年度納入金の平均額
区分 平均額(円)
文科系学部 1,194,841
理科系学部 1,530,451
医歯系学部 4,821,704
その他学部 1,460,542

基本的な傾向として「文系より理系の方が学費はかかる」と考えてよいでしょう。

私立大学医学部・歯学部は入念な準備が必要

私立大学の医学部や歯学部に進学を希望している場合、金銭面でも入念な準備が必要です。同じく、文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」によれば、医歯系学部の初年度納入金の平均額は4,821,704円となっていました。

約500万円かかる計算であるうえに、授業料の平均額も2,863,713円と約300万円にも達します。6年間で卒業すると考えた場合、最低でも約2,000万円は必要な計算です。

この系統の学部への進学を希望しているのであれば、早い段階から必要な費用が賄えるよう資金の準備をするとともに奨学金や地域枠受験など、学費を節約できる方法について調べておくとよいでしょう。

私立大学の学費以外に考えるべき費用

電車を待つ学生

子どもが私立大学に進学するための費用について考える場合、授業料などの学費だけに目が行ってしまいがちですが、実は他にも考えるべき費用があります。

私立大学進学に備えて資金を準備する場合に考えるべき費用の具体例を紹介するので、参考にしてください。

共通テストや大学の受験料

まず、私立大学を含め大学進学に当たって考えるべき費用の1つが「共通テストや大学の受験料」です。国公立大学や私立大学のうち、共通テストを利用した選考を行っている大学を受験する場合、共通テストを受験する必要があります。共通テストの受験料は以下のとおりです。

共通テストの受験料
受験科目数 受験料(円)
3教科以上 18,000
2教科以下 12,000
出典:独立行政法人大学入試センター「法令の規定により使用料、手数料その他の料金を徴収している場合におけるその額の算出方法」

また、国公立大学の受験料は、大学によっては異なる場合もありますが、17,000円程度が相場と考えましょう。

参照:国立大学法人宇都宮大学授業料その他の費用に関する細則

一方、私立大学の場合、大学によっても異なりますが、医学部・歯学部以外は30,000円~35,000円が相場です。

参照:立教大学「一般入試・共通テスト利用入試についてのQ&A(2025年1・2月実施入試)」

医学部・歯学部の場合はやや高めで、中には60,000円とかなり高額なケースもあるため注意しましょう。

参照:東京慈恵会医科大学「2024年度医学部医学科学生募集要項」

大学入学後の生活費

大学入学後、つまり在学中の生活費がかかることにも注意しなくてはいけません。日本学生支援機構「令和4年度学生生活調査結果」によれば、大学学部(昼間部)通学者の学費と生活費の合計の平均額は約182万円、そのうち生活費の平均額は約68万円とのことでした。

出典:独立行政法人日本学生支援機構「令和4年度学生生活調査結果」

ただし、これはあくまで平均値であるため、家賃や生活費が高い場所で一人暮らしをするなら、より高額の資金が必要になることに注意が必要です。

私立大学の学費を準備する方法

学費の準備方法を考える家族

私立大学を含め、子どもの大学進学にあたっては何かと資金がかかるため、早い段階から準備するのが望ましいでしょう。ここでは私立大学の学費や一人暮らしの初期費用など、進学にあたって必要になる資金を準備する方法について解説します。

コツコツ貯金する

一般的な方法として考えられるのは、コツコツ貯金することです。積立式定期預金など、子どもの大学進学を見据えて学費に充てるべく、お金を貯められる仕組みやサービスを取入れましょう。

この方法のメリットは、続けていけば着実に私立大学の学費など、まとまった資金が必要なライフイベントに備えられることです。また後述する保険や資産運用とは異なり、元本割れの心配もありません。

ただし、金利により大幅に増えることはない点には注意が必要です。ある程度まとまった金額が確保できたら一部を資産運用に回すなど、他の方法を併用する前提で利用しましょう。

学資保険を使う

学資保険を使って、私立大学を含めた大学の学費等の出費に備える人も一定数います。学資保険とは生命保険の一種で、保険料を払うと満期を迎えた時点で、返戻金としてまとまった金銭が受取れる商品です。

学資保険のメリットとして、父親や母親などの契約者が亡くなった場合、それ以降の保険料の支払いが免除されることが挙げられます。満期を迎えれば返戻金を受取ることができるため、学費の問題で私立大学を含めた大学への進学を断念する必要がありません。

また、一度契約すれば基本的には毎月保険料を支払い続けるだけで、着実に学費に充てられるだけの資金を貯められるのもメリットです。

ただし、商品によっては返戻率が100%を切ることがある点に注意しなくてはいけません。つまり、満期を迎えるまでに支払った保険料の合計額より返戻金が安くなるため、必要な学費が用意できない恐れがあります。

学資保険を契約する際は商品の説明をよく読み、保険会社の担当者からも話を聞いたうえで手続きを進めましょう。

教育ローンを利用する

教育ローンを使って私立大学を含めた大学の学費に備えることもできます。教育ローンとは文字通り、私立大学の学費や塾、予備校代など子どもの教育費に充てることを目的とした融資商品です。

運営主体を基準にすると「国が運営しているもの」と「銀行や信用組合などの金融機関が運営しているもの」があり、それぞれ申込条件などが異なります。

どのような教育ローンを使う場合でも申込条件や返済条件を確認したうえで、事前にシミュレーションを行ってから手続きしましょう。

あしぎん教育ローンなら在学中は金利のみのお支払い、卒業後から元本の返済が可能ですので、在学中の負担を軽減できます。

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NISAで積み立てる

少額投資非課税制度=NISAを使い、投資信託等の金融商品の積立てを経て、私立大学を含めた大学進学のタイミングで学費に充てられるよう現金化するのも1つの方法です。

この方法は、早い段階からコツコツ始めることで負担が軽減できるうえに、運用成績次第では効率的に資産を増やせるのが大きなメリットでしょう。

ただし投資である以上、損失が出るリスクがあることに注意しなくてはいけません。長期分散投資を心がけるとともに、損失が出たとしても問題がない程度の規模で運用することを心がけましょう。

私立大学の学費を用意するための工夫

私立大学を目指す学生

私立大学に限らず大学の学費や在学中の生活費は決して安くないうえ、運用や貯金で用意するのは決して簡単ではありません。普段の生活を見直したり、より学費を貯められる、もしくは節約できる工夫を取入れたりする必要があります。

ここでは、私立大学の学費を用意するための工夫として、以下の3つについて解説するのでぜひ参考にしてください。

家計管理を行う

私立大学に進学するか否かを問わず、家計管理はできるだけ行いましょう。私立大学の学費を払うこと以外にも、人生において大切なライフイベントは他にもあるうえに、相応の資金も必要となるためです。

具体的には、家計簿をつけて無駄な支出がないかを見直し、できる範囲で固定費を中心にした生活費を削減していくことが考えられます。

ただし、熱心に取組みすぎるあまり、生活の質が著しく下がってしまうと、自分や家族のストレスにもなるため、あくまで「ほどほどに」を心がけましょう。

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先取り貯金を心がける

効率良く貯金をするためには、先取り貯金を心がけることが重要です。つまり、給与など収入が入ってきたら、一定額を先に貯金に回し、残った額でやりくりをするということです。

生活費をやりくりして、余った部分を貯金に回すという方法は理論上可能ですが、決して効率が良いとは言えません。特に私立大学に限らず大学受験を迎える子どもを育てている場合、不測の出費が生じることは珍しくないため、やりくりだけで貯金を目指すのは無理があります。

「毎月5万円貯めて、余った部分は使い切っても問題ない」など、明確なルールを決めて貯金をすればストレスも溜まらず、私立大学の学費に充てられるほどのまとまったお金が貯められるでしょう。

奨学金・特待生制度を使う

学費を節約するという意味では、国や地方公共団体、私立大学を含めた大学や財団が独自に準備する奨学金、特待生制度を使うことも検討しましょう。多くの私立大学では、学生支援策の一環として学費に充てられるよう、奨学金や特待生制度を用意しています。

ただし、進学先の大学や家計の状況によっても利用できる奨学金、特待生制度は大きく異なるのが実情です。利用できる制度の有無や詳細については、高校の進路指導室や大学の奨学金課などの担当部署に問い合わせてみましょう。

まとめ

勉強をする親子

私立大学に限ったことではありませんが、大学の学費は決して安くありません。また、文系学部よりは理系学部の方が学費は高いうえに、医学部や歯学部への進学を希望する場合はかなりの学費がかかることにも注意する必要があります。

ただし、早いうちから大学進学を見据えて学費の準備をするとともに、利用できそうな奨学金・特待生制度がないか調べることで負担は大幅に軽減することができます。

子どもにも奨学金、特待生制度を調べさせることで自分の進路について考えるきっかけ作りができるため、一度親子で話し合ってみるのがよいでしょう。

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