賃貸・持ち家、どっちがいい?トータルコスト比較やメリット・デメリットを徹底解説
賃貸と持ち家、どちらを選ぶかは資産形成においても重要なポイントです。実際にはそれぞれにメリットとデメリットがあるため、一概にどちらがいいとは言い切れません。 本記事では、賃貸と持ち家を比較し、トータルコストやそれぞれどのような人に向いているのかを解説します。
Supervisor監修者
![]()
2級FP技能士古賀清香
広告代理店勤務を経て、フリーライターとして6年以上活動。自身の投資経験をきっかけにFP資格を取得。投資・金融・不動産・ビジネス関連の記事を多数執筆。現在はフリーランスの働き方・生き方に関する情報も発信中。
賃貸と持ち家のトータルコストを比較
賃貸と持ち家、どちらがいいかを判断するには、家賃やローン返済といった毎月の支払いだけでなく、長期的にかかる支払総額を比較することも大切です。賃貸は初期費用が少なく、引っ越しの自由度も高い一方で、長く住むほど家賃の総額が大きくなります。持ち家は購入時の費用や維持費がかかりますが、ローンを完済すれば資産が残る点が大きなメリットです。
ここでは、賃貸と持ち家にかかる費用の総額を比較して、お金の面からどっちがお得かを見てみましょう。
賃貸のトータルコストはいくら?
賃貸の大きな支出は毎月の家賃です。家賃は賃貸住宅のある地域や間取り、築年数によって差がありますが、長期的に見ると総額は無視できません。加えて、契約更新のたびに発生する更新料や、入居時の礼金や仲介手数料なども必要です。
退去時の原状回復費も入居者負担になることがあり、転勤やライフスタイルの変化で引っ越す場合には、その都度引っ越しのためのお金が必要です。
持ち家のトータルコストはいくら?
持ち家の場合、最大の支出は住宅ローンの返済です。ローンの金利や返済期間によって総額は大きく変わりますが、返済が終われば住宅という資産が手元に残る点が大きなメリットです。
不動産購入時には仲介手数料や登記費用などの諸費用がかかりますが、これらは一度きりであり、長期的には分散される支出です。持ち家は初期費用や維持費はかかるものの、ローン返済後は資産が残るため、長期的にはお金の面でお得に感じられるケースもあります。
賃貸のメリット・デメリット
ここでは、賃貸住宅のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
賃貸のメリット
賃貸住宅には、持ち家にはない独自の魅力があります。
ライフスタイルの変化に柔軟に対応できる
賃貸住宅の強みは、ライフステージの変化に応じて柔軟に住み替えができる点にあります。転勤や転職で勤務地が変わった際、持ち家であれば売却や賃貸運用の手続きが必要ですが、賃貸住宅なら解約手続きを行うだけでスムーズに転居が可能です。
結婚や出産によって家族構成が変わればより広い物件へ、子どもが独立した後は管理のしやすいコンパクトな住まいへと、その時々のニーズに合わせて最適な環境を選択し続けられることは、賃貸ならではの魅力といえるでしょう。
維持費や修繕費の負担が少ない
賃貸住宅では、建物の維持管理や経年劣化に伴う修繕費用を入居者が負担することはほとんどありません。エアコンや給湯器といった付帯設備が故障した際も、通常の使用範囲内であれば、大家さんや管理会社側で修理・交換が行われます。
一方、持ち家の場合は外壁塗装や屋根の補修、水回りのリフォームといったメンテナンスを自己資金で賄う必要があり、10年から15年ごとに数百万円単位のまとまった支出に備えなければなりません。住居に関する突発的な支出を抑え、家計の管理を安定させやすい点は賃貸住宅の大きな強みです。
固定資産税がかからない
賃貸住宅に住む場合、固定資産税や都市計画税を直接支払う必要はありません。持ち家であれば、家自体の価値や立地に応じて税金が発生し、例えば評価額3,000万円程度の物件であれば、軽減措置の有無などにもよりますが、年間10万円~15万円ほどが目安となります。これを30年間の累計で考えると、300万円から450万円に達します。
賃貸であればこうした負担がないため、その分の資金を貯蓄や投資に振り向けることも可能です。
賃貸のデメリット
賃貸住宅には多くのメリットがある一方で、長期的な視点で見ると気になるデメリットもいくつかあります。
家賃を払い続けても資産にならない
賃貸住宅のデメリットとして、どれほど家賃を払い続けても物件が自分の資産にならない点があります。例えば月10万円の家賃を30年間支払った場合、住居費の総額は3,600万円に達しますが、退去時に手元に残る資産価値はゼロです。
一方、持ち家は住宅ローンの完済によって不動産という資産が形成されます。将来的に売却してまとまった現金を得ることや、賃貸に出して家賃収入を得ることも可能です。そのため、住居費を「消費」と捉えるか「将来への投資」と捉えるかという、長期的な視点で慎重に判断する必要があります。
老後の住まいに不安が残る
高齢者の賃貸契約は、想像以上に難しいのが実情です。大家さん側には孤独死や家賃滞納への不安、連帯保証人の確保が困難といった懸念があり、高齢者の入居を敬遠するケースが少なくありません。
現住居に住み続けられれば問題ありませんが、建物の老朽化に伴う立ち退き要請や家賃の大幅な値上げ、周辺環境の変化などにより、予期せぬ住み替えを迫られる可能性もあります。こうした「老後の住まいの確保」という問題は、賃貸生活を続ける上で避けて通れない注意点です。
自由にリフォームや改装ができない
賃貸では、壁紙の張り替えや間取りの変更、最新設備への入れ替えといった改装が原則として認められません。小さな子どものいる家庭では、壁や床の損傷に細心の注意を払う必要があり、自由な暮らしを制限される場面も多いでしょう。自分らしい住空間を追求する喜びを十分に得にくい点は、賃貸住宅のデメリットといえるでしょう。
持ち家のメリット・デメリット
持ち家は、その購入価格の高さから「人生最大の買い物」と称されることもあります。数千万円単位の資金が動くからこそ、賃貸住宅と比較してどちらが自分たちに適しているかを判断することが重要です。ここからは、持ち家のメリット・デメリットを見ていきましょう。
持ち家のメリット
持ち家を購入することは、単なる住まいの確保以上のメリットが多くあります。
住宅ローン完済後は住居費負担が大幅に減る
持ち家の大きなメリットは、住宅ローンを完済した後の住居費負担が大きく下がる点にあります。
例えば、月10万円のローン返済をしていた場合、完済後は固定資産税や管理費、修繕積立金のみの負担となり、月々2万円から3万円程度に抑えられ、年間で100万円近い支出削減になります。
ローン返済中であっても、「自分の資産を作るための支払い」という意識が持ちやすい点は賃貸との大きな違いといえるでしょう。
資産として残り、相続や売却もできる
持ち家は、不動産という形のある資産として手元に残ります。万が一収入が途絶えても、持ち家を売却すればまとまった現金を得られ、賃貸に出せば安定した家賃収入を確保できる可能性があります。
相続の観点でも、子どもに持ち家を残せることは、次世代への経済的支援につながります。配偶者や子どもが住み続けることもできますし、売却して現金で分割することも可能です。立地条件の良い物件であれば、資産価値が上昇し、購入時を上回る価格で売却できるケースもあります。
自由にリフォーム・リノベーションができる
持ち家は、自分の好みやライフスタイルに合わせて住空間を自由に作り替えられる点が大きな魅力です。
壁紙や床材の変更、家族の成長に合わせた間取りのリフォームなど、賃貸住宅では難しい理想的なカスタマイズができます。特に、将来を見据えたバリアフリー化を計画的に進められる点は、老後の安心感に直結します。日々のDIYや修繕を通じて、住まいへの愛着も深まっていくでしょう。
持ち家のデメリット
持ち家には多くのメリットがある反面、デメリットも存在します。
固定資産税や維持管理費がかかり続ける
持ち家を所有すると、住宅ローンの完済後も固定資産税や都市計画税の支払いが続きます。税額は物件の評価額に左右されますが、一般的な住宅で年間10万円から20万円程度、好立地な都市部では30万円を超えることも珍しくありません。特にマンションの場合は、管理費や修繕積立金が毎月発生し続ける点に注意が必要です。
これに火災・地震保険の更新料などを加味すると、結果として賃貸生活よりも維持コストが大きくなる場合もあります。
簡単に住み替えができない
持ち家を購入すると、転勤や家族構成の変化があっても気軽に転居することが難しくなります。売却には数ヵ月から1年以上かかるケースも珍しくなく、希望価格で売れる保証もありません。転勤時に賃貸へ出す選択肢もありますが、空室リスクや管理の手間が伴います。
また、高額な住宅ローンを抱えていると、収入の減少を伴う転職や起業といったチャレンジがしにくくなる点も無視できません。
災害や資産価値下落のリスクを負う
地震や火災、水害などで建物が損壊した場合、修繕費用はすべて所有者の自己責任となります。地震保険に加入していても、補償額は建物評価額の最大50%までに制限されるため、生活再建には多額の持ち出しが必要になるのが実情です。
さらに、人口減少や周辺環境の変化によって資産価値が想定以上に下落するリスクもあります。将来的に売却や相続を検討していても、思うような価格がつかない可能性は念頭に置いておく必要があります。
賃貸が向いている人の特徴
賃貸が向いているのは、転勤や転職、独立起業など、キャリアの変化に応じて柔軟に拠点を選びたい方です。全国転勤のある職業や、成長に合わせて職場を変える可能性がある場合、賃貸の「住み替えやすさ」は大きなメリットになります。また、結婚や出産、親との同居など、ライフステージの変化に合わせて住まいを最適化したい方や、都心と郊外を行き来するような暮らしを望む方にも最適です。
さらに、購入時の頭金といった初期費用を数十万円程度に抑えられるため、その差額を投資や事業資金に充てることで、将来に向けた効率的な資産形成を目指すことも可能になります。
持ち家が向いている人の特徴
持ち家が向いているのは、長期的に同じ場所に住み続ける予定がある方です。家業の継承や親族との近居、子どもの教育環境の固定を優先したい場合、持ち家の安定感は大きなメリットになります。将来の収入見通しが立ちやすく、住宅ローンを無理なく返済できる世帯収入がある方も持ち家向きといえるでしょう。
30代から40代で家を購入し、定年時までの完済を目指せば、老後の住居費を最小限に抑えられ、家計の安心感に直結します。子どもへの資産継承や将来の賃貸運用までを見据えるなら、持ち家は有力な選択肢となるでしょう。
まとめ
賃貸と持ち家には、それぞれ明確なメリット・デメリットがあり、どちらかが絶対的に優れているということはありません。賃貸は住み替えの柔軟性が高く、維持費の負担も抑えられますが、家賃を払い続けても資産にならず老後の住居に不安が残ります。
一方、持ち家は完済後の住居費を大幅に抑えられ資産にもなりますが、継続的な税金や維持費が発生し、気軽に転居できない制約も伴います。ぜひ本記事で紹介した内容を参考に、ライフプランについてご家族と話し合い、納得のいく住まいを選んでください。
商品やサービスを紹介いたします記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。
