ビジネスメールの基本マナー!書き方・例文・返信時の注意点を徹底解説
社内外のやり取りではメールが一般的ですが、文章の作成や送り方などに悩む社会人は多いでしょう。本記事では、ビジネスメールの基本マナーについて解説します。具体的な例文や返信時の注意点も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ビジネスメールの基本マナー
社内連絡や社外のクライアントとの打ち合わせなど、ビジネスメールは多様なシーンで使用されますが、基本的な書き方のマナーは共通です。まずは、基本となるマナーを解説します。
宛名・部署名・肩書きの正しい書き方
ビジネスメールの宛名は、「会社名+部署名+相手の名前+様」を記載するのがマナーです。会社名は「(株)」などと省略せず、「株式会社」のように正式名称で記載しましょう。
なお、複数人へ一斉に送信する場合は、相手の名前を縦または横に並べ、役職が上の人から順に記載し、それぞれに敬称を付けるのがマナーです。個人宛でない場合は、会社名や部署名の後に「御中」を付けましょう。
挨拶文と本文の段落構成
宛名の後に続く本文は、「挨拶+本題+署名」の構成が基本です。本題を宛名の直後に置くと唐突な印象になり、失礼にあたる可能性があります。
そのため、本題の前には「お世話になっております」といった短い挨拶を挟みましょう。挨拶の後は「営業部の○○です」と名乗りを入れるのがマナーです。
ビジネスメールの最後に記載する署名は、差出人の名前や所属先、連絡先など情報を集約した部分です。署名があっても、最初の名乗りはマナーとして必要です。
社外・社内メールで異なるポイント
相手の顔が見えないビジネスメールでは、社内と社外で書き方を変える必要があります。
宛名は社内の人なら部署名から、社外の人なら会社名から記載するのが基本です。 社外では基本的に「様」を使います。社内では、同僚や部下などには「さん」を、上司には役職名を付けて呼ぶのが一般的です。
さらに、会社や部署全体に対するメールの表記も異なるため、以下の表を参考に書いてみましょう。
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社外メール |
社内メール |
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宛名の構成 |
会社名+部署名+役職名+相手の名前 |
部署名+役職名+相手の名前 |
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名前に付ける敬称 |
様 |
様・さん |
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大勢へ送る場合の書き方 |
○○株式会社 ××部御中 |
××部各位 |
ビジネスメールの書き方
ビジネスメールは基本マナーだけでなく、相手が内容を把握しやすいように書くことが大切です。件名や本文の書き方のポイントを押さえることで、相手に伝わりやすく、失礼のないメールを作成できます。ここからは、具体的な書き方を解説します。
件名の付け方と文字数の目安
用件を示す件名はメールの顔といえるため、できるだけ具体的に記載するのがマナーです。内容を簡潔に書き、重要な連絡の場合は角括弧(【】)を使って強調しましょう。
最初の挨拶メールの場合は、件名に会社名・名前を必ず入れてください。 件名の文字数はパソコンで30文字、スマートフォン表示が前提であれば20文字程度に収めるのが目安です。できれば14~15文字程度にまとめることで、受信者が内容を把握しやすくなります。
本文の段落ごとの構成
ビジネスメールの中心となる本文は、「要旨・詳細・結びの挨拶」という構成が基本です。要旨はメールの目的や用件を簡潔に伝え、詳細へと繋げる役割を持ちます。
詳細は最も伝えたい部分であり、要旨の内容を掘り下げて記載します。
本文の最後は、「お忙しいところ大変恐縮ではございますが、よろしくお願いいたします」といった結びの挨拶で終えるのが原則です。結びの挨拶は相手へ丁寧な印象を与えるだけでなく、次のアクションを促す意味もあるため、必ず書き添えましょう。
相手に伝わりやすいシンプルな文章
ビジネスメールの本文では、相手に伝わりやすいよう簡潔な文章を心掛けるのがマナーです。
一文の文字数は50~60文字程度を目安にしましょう。適度な改行と空白行を入れることで、視認性の高いレイアウトになります。 質問事項が多く文章量が増える場合は、箇条書きでまとめるのがポイントです。要旨で「質問の内容と数」を記載しておくと、より丁寧な印象を与えられます。
メールの例文集
基本マナーと具体的な書き方を理解しても、ビジネスメールの文章がすぐに思い浮かばない人も多いでしょう。ここからは、基本マナーを踏まえた依頼、お礼、お詫びといったシーン別の例文を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
社外への依頼メールの例文
社外へ依頼するビジネスメールでは、相手にお願いしたい内容に合った表現を使うことがマナーです。「ご指導」や「ご教示」(教えて欲しい場合)、「お目通し」や「ご確認」(確認して欲しい場合)など適切な表現を使い分けましょう。
本文の要旨では依頼した理由と内容を簡潔に書き、詳細の箇所で具体的な対応方法や期限などを記載します。なお、依頼メールは相手へお願いする内容であるため、最後に「お手数をおかけし大変恐縮ですが」といったクッション言葉を置くのがマナーです。
- 【挨拶・名乗り】いつもお世話になっております。株式会社○○の××です。
- 【要旨】△△の打ち合わせの件ですが、ご連絡いただきました日程では生憎弊社の技術担当のスケジュールが埋まっており、調整が難しい状況です。
- 誠に勝手ながら、以下の日程にて再度ご検討いただけませんでしょうか。
- 上記以外の日程でも調整可能でございますので、お手数ですが、ご都合のよろしい日時をいくつかお聞かせいただけますと幸いです。
- 【結びの挨拶・クッション言葉】お忙しいところ大変恐縮ではございますが、ご確認の程よろしくお願いいたします。
社内連絡メールの例文
見知った相手とはいえ、社内の連絡メールでも基本マナーを踏まえた内容にまとめることが重要です。書き出しの挨拶は「お疲れ様です」が一般的です。
ただし、他部署の上司や極めて役職の高い人に対しては「お世話になっております」とするなど、相手との関係性に合わせて使い分けましょう。連絡の内容は簡潔にまとめ、必要に応じて番号や箇条書きなどを併用すると伝わりやすくなります。
- 【挨拶・名乗り】お疲れ様です。営業部の××です。
- 【要旨】先日の△△の打ち合わせ日程について、以下の通り変更になりましたので、ご連絡いたします。
- 【詳細】変更前:12月3日(水)10:00~ 変更後:12月8日(月)13:00~
- 詳細につきましては〇〇をご確認ください。ご不明な点がございましたら、遠慮なくお知らせください。
- 【結びの挨拶】ご確認の程よろしくお願いいたします。
お礼・お詫びメールの例文
ビジネスメールでは、お世話になったクライアントや上司へお礼を述べたり、仕事のミスについて謝罪したりするシーンがあります。お礼・お詫びのどちらの場合でも、相手を立てる謙虚な文章でまとめるのがマナーです。
特にお詫びのメールは謝罪だけでなく、再発防止策も提示するのがポイントです。改善策や対応方針を示すことで、相手に安心感を与えられます。本文内で長々とミスの言い訳をするのは、メールが読みづらくなるうえ、不誠実に思われる可能性があるため避けましょう。
- 【挨拶・名乗り】いつもお世話になっております、株式会社○○の××です。
- 【要旨】先日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。
- 【詳細】△△様からいただきましたご要望や課題について、弊社で改めて対策を検討し、次の提案へ活かしてまいります。
- 他にご要望・ご質問等がございましたら、迅速に対応させていただきますので、お気軽にお申し付けください。
- 【結びの挨拶】今後とも、変わらぬお付き合いをどうぞよろしくお願いいたします。
- 【挨拶・名乗り】お世話になっております。営業部の××です。
- 【要旨】この度は、△△にて使用する資料の提出が遅れましたこと、深くお詫びいたします。
- 【詳細】提出予定日を当初〇月×日とお伝えしておりましたが、情報確認に時間を要してしまい、〇月〇日にずれ込む結果となりました。
- ご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。
- 今後はこのようなことが起こらないよう、作業体制を見直し、チェックを徹底していく所存です。
- 【結びの挨拶】何卒ご容赦くださいますよう、お願いいたします。
返信時のマナーと注意点
ビジネスメールでは自分が送るだけでなく、相手から送られてくるメールに返信する機会もあるでしょう。ここからは、返信時のビジネスメールのマナーや注意点を紹介します。
返信メールの基本構成
返信時の文章構成は通常のビジネスメールと同じく、「宛名・件名・本文・署名」で構成されます。
件名には返信を意味する「Re:」が付きますが、スレッドが長くなった場合は件名を整理し、要件が分かるように調整しましょう。件名を見るだけで返信メールであることが相手に伝わるようにするため、基本的なビジネスマナーとして覚えておきましょう。
相手に失礼にならないようにする
相手からのメールへの返信でも、通常のビジネスメールと同様に失礼にならないよう注意が必要です。最初の挨拶には「ご連絡ありがとうございます」というように、忙しい中でメールを送ってくれたことへの感謝を一言添えると良いでしょう。
また、ビジネスメールの中には、同じ内容を複数の人へ共有する「CC」の欄に自分が含まれている場合があります。メールは宛先の人に向けたものであり、CCに入っている人は基本的に返信不要です。質問事項などがあって返信したい場合は「CCから失礼いたします」と一言添えると、より丁寧な印象になります。
仕事をスムーズに進める返信の工夫
ビジネスメールへ返信する際は、言及する内容を個別に引用するといった工夫をしましょう。特に複数の質問事項がある場合、本文でまとめて記載すると回答の区切りが分かりにくくなります。
引用する際は本文との違いを付けるために「>」と表記し、後ろに引用したい文章を記載します。引用を用いることで、回答がどの質問に対するものかが明確になり、誤解を防ぎつつスムーズにビジネスを進められます。
まとめ
同じビジネスメールであっても、送る相手やシーンによって書き方や注意点が異なります。大切なのは相手に失礼のない言葉遣いと、分かりやすく簡潔な文章を意識することです。本記事で紹介した基本マナーや注意点、例文なども参考にしながら、ビジネスメールを書いてみてください。
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