【教育ローン審査】基準や注意点を分かりやすく解説!押さえておきたい賢い使い方も
教育ローンとは、高校・大学の学費など教育資金の借入れを目的とした個人向けローンです。国(日本政策金融公庫)や民間の金融機関が幅広く提供しています。今回は、教育ローンお申込時のポイントや、教育ローンを利用するにあたって重要な点を詳しく解説します。
Supervisor監修者
2級FP技能士、AFP(日本FP協会認定)、貸金業務取扱主任者荒井 美亜
立教大学大学院経済学研究科卒業。
「ささいな疑問や悩みを拾い上げ、前に進む原動力に変える」ことを目標に、金融分野を中心にライター活動中。
日本FP協会の消費者向けイベントにも講師として登壇経験あり。
教育ローンとは?
教育ローンとは、子どもの教育資金に充てることを目的とした、個人を対象とする融資商品の1つです。
教育ローンは、民間金融機関が扱う「民間教育ローン」と、国が扱う「教育一般貸付」(国の教育ローン)の2種類に分類できます。
なお、どちらの教育ローンも奨学金のように「大学1年次に申込みをしないといけない」「評定平均が3.5以上ないといけない」など、時期や対象による制限はありません。資金が必要になったら1年中、いつでもお申込みができます。
民間金融機関が扱う教育ローン
以下のような民間金融機関では、教育にかかる費用に充てるための融資商品として、教育ローンを扱っています。
- 銀行(都銀・地銀・ネット銀行)
- 労働金庫
- 信用金庫
- JA(農協)
- 信販会社
後述する国の教育ローンとは違い、利用にあたっての年収(所得)の上限がありません。逆に、年収が低いと審査に通りにくくなるケースもあります。
教育ローンは金利タイプや最長返済期間など、取扱金融機関ごとに商品性が異なります。
教育ローンを検討する際は、さまざまな選択肢を比較して自分にあった商品を選びましょう。
国の教育ローン
国の教育ローンとは、日本政策金融公庫が行う教育一般貸付のことです。日本政策金融公庫とは政府系の金融機関の1つで、民間の金融機関を補完する立場として個人や中小企業を中心にした事業者への融資など、さまざまな事業を展開しています。
教育一般貸付の大きな特徴は、利用にあたって世帯年収の上限が設けられていることです。条件によっては上限額が緩和されますが、基本的にはお子さまの人数が多いほど、世帯年収の上限額が高く設定されています。
教育一般貸付では、上限350万円(一定の要件に該当なら450万円)までの借入れができます。日本学生支援機構の奨学金との併用も可能です。また、固定金利のため、借入れをした時点で毎月の返済額および総返済額も決定します。
教育ローンのお使いみち
教育ローンは、高校や大学での学費以外にもさまざまな場面で「子どもの教育に関する費用を支払うための資金」として利用できます。利用できる費用の一例を挙げてみました。
学費
教育ローンの利用方法の一つが、いわゆる就学費用です。学校の受験料、入学金、授業料などの支払いに利用できます。
- 高等学校、高等専門学校
- 大学、大学院、短期大学
- 専門学校、各種学校、大学受験予備校、デザイン学校
学費以外の費用
一方、就学費用以外でも「学生生活を送るために必要な費用」の支払いのために、教育ローンを使うことが可能です。たとえば、以下の費用が考えられます。
- 小学校~大学までの入学金や授業料
- 学用品、制服代、教科書代
- 部活動の費用
- 定期券代
- パソコン購入費
- 学生寮の寮費
- 賃貸アパート・マンションの敷金や礼金、家賃
- 留学費用
- 学生が在学中の生活費
ただし、どこまでが教育ローンの対象になるかは、金融機関によっても異なります。商品性を事前に確認した上で、複数の金融機関の教育ローンを幅広く検討しましょう。
教育ローンのメリット・デメリット
教育ローンのお使いみちがイメージできたら、利用にあたってのメリットとデメリットを押さえておきましょう。
教育ローンのメリット①在学期間中は元金据置期間が設けられる
教育ローンの大きな特徴として挙げられるのが、在学期間中は元金据置期間が設けられている点です。据置期間は元金の返済を行わず、利息分のみを返済していきます。これにより、返済負担を一時的に軽減することが可能です。
ただし、据置期間も返済期間に含まれる点には注意が必要です。もし返済期間が5年間、据置期間が1年間設定された場合には、据置期間が終了してから4年間で返済をしなければなりません。
教育ローンのメリット②幅広いお使いみちで利用できる
上記でもお伝えしましたが、教育ローンは入学金や授業料だけでなく、教材費や在学期間中の家賃、仕送り費用など幅広い用途で利用できます。ただし、金融機関や商品によって対象となる使いみちが異なりますので、申込前に確認するようにしましょう。
教育ローンのメリット③いつでも申込みができる
教育ローンは、時期を問わずいつでもお申込みが可能です。入学後、受験前など、どのタイミングでもお申込みすることができる点は大きなメリットといえるでしょう。家計の都合により、突然お金が必要になった場合でも安心です。
教育ローンのデメリット①申込む際に審査が必要
教育ローンを申込む際には、審査があります。年収などの条件によっては、審査が通らず希望する商品を利用できない可能性があるため注意しましょう。金融機関によっては審査が通るかどうかの目安を確認できるサイトがあるので、事前に確認しておくと安心です。
教育ローンのデメリット②元金据置期間を利用すると総負担額が増加する
教育ローンの返済に元金据置期間を利用した場合、その期間中は元金を返済することができません。そのためその分の返済期間が長くなるだけでなく、金利負担が大きくなり、最終的な負担額も増えてしまいます。
借入残高によっては他のローンの審査に通りにくくなる事態もありえますので、事前の返済シミュレーションが大切です。
教育ローンの賢い使い方
教育ローンには、一括借入型とカードローン型の2タイプがあります。ここでおすすめしたいのは、カードローン型の教育ローンです。
一括借入型は、ご契約時に必要額を一括で借入れるため、追加の借入れには再度のご契約が必要となります。一方カードローン型は、お借入枠の範囲内であれば、必要な金額をその都度借入れるという使い方が可能です。また、いつでもATMから返済可能なため、余裕のあるタイミングで返済をすれば利息負担を軽減することができます。
このように、利息負担を最低限に抑えつつ、急な出費や、万が一に備えておくことが賢い使い方といえるでしょう。
教育ローンの審査基準
教育ローンを利用するにあたっては、必ず審査を受けなくてはいけません。具体的にどのような点がチェックされるのか、審査基準について解説します。
お申込条件を満たしているか
前提として、金融機関ごとに定める条件を満たさないとお申込みができません。そのため、事前に教育ローンのお申込条件は注意深く確認しましょう。なお、足利銀行の教育ローンのお申込条件は以下の通りです。
- 契約時の年齢が満18歳以上65歳未満
- 安定継続した年収がある
年収は安定しているか
民間の金融機関の場合、年収が高いほうが審査において有利になります。
ただし、年収が高かった場合でも安定継続した収入ではないと判断された場合は、資金の貸付をしても返済が滞る可能性があると判断され、審査に通過できないこともありえます。「年収が高い=審査に通過できる」ではないため、注意が必要です。
一方、国の教育ローンの場合、利用にあたっては年収基準が設けられているうえに、家庭の状況次第では金利・保証料の優遇が受けられます。年収が高くなくても安定した収入があり、貸付を行っても問題ないと判断されれば、審査に通る可能性は十分にあるでしょう。
他社からの借入件数・借入総額は多すぎないか
クレジットカードのキャッシングやカードローン、住宅ローンなど、他のローン商品を利用している場合は注意が必要です。同時に利用すること自体は問題ありませんが、借入件数・借入総額が多ければ多いほど、審査には不利になります。
教育ローンのお申込みからご融資までの流れと期間
以下では、教育ローンのお申込みからご融資までの流れを解説します。
期間としては通常、お申込みからご融資までは10日前後かかります。お申込みが集中する時期はさらに時間がかかるため、余裕をもって進めましょう。
1.仮審査を申込む
まずは教育ローンの仮審査のお申込みをします。民間金融機関および日本政策金融公庫のいずれでも、WEBもしくは店頭窓口にてお手続きが可能です。仮審査時点では、書類等は必要ないケースが多いです。
2.仮審査結果が通知される
電話もしくはメールで仮審査結果が通知されます。お申込先の金融機関によっても異なりますが、お申込みをした日の翌営業日に通知されることが多いです。
3.必要書類を準備する
仮審査の結果が承認となったら、必要な書類を準備します。なお、必要な書類はお申込先の金融機関によって異なりますが、足利銀行の教育ローンの場合は以下の通りです。
- 本人確認書類(運転免許証等)
- 所得を証明できる書類(源泉徴収票や公的機関発行の証明書)
- 健康保険証
- 入学、在学を確認できる資料(合格通知書・在学証明書等)
- 入学金、授業料等を確認できる資料
※審査の都合上、上記以外の書類をご用意いただく場合があります。
4.本審査を経て契約に進む
書類が準備出来たら本審査のお申込みを行い、特段問題がなければ契約に進みます。契約手続きはWEBもしくは来店で行うため、手順をしっかり確認しておきましょう。
5.ご融資
契約手続きが完了したら、ご融資となります。カードローン型の場合は、後日ローンカードが郵送されます。その後は、あらかじめ定めた計画に従い、返済をしていきましょう。
まとめ
教育ローンはたくさんの金融機関で扱われているうえに、商品性も異なります。利用する際は、事前に情報収集をして比較検討し、入念に準備をしてからお申込みください。
足利銀行でもおトクな教育ローンを取り扱っております。ぜひ、ホームページをご確認ください。
商品やサービスを紹介いたします記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。