非常持ち出し袋で本当に必要なものリスト!おすすめの置き場所やいらなかったものもご紹介
非常持ち出し袋は、災害時に避難するときのために、日頃から準備しておくべきものです。しかし、実際に何を用意したらよいか悩む人は多いでしょう。本記事では、非常持ち出し袋で本当に必要なものを紹介します。避難時のポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
備蓄とは違う!非常用持ち出し袋って何?
非常時に備えて準備すべきものであることから、非常用持ち出し袋は備蓄と同じだと思っている人もいるのではないでしょうか。そもそも非常用持ち出し袋とは、避難生活で本当に必要となる最小限の防災グッズのみを入れるための袋です。
備蓄が自宅に置いておくものであるのに対し、非常用持ち出し袋はいざとなったらすぐに持ち出せるようにしておくべきものであるため、中身はもちろん袋の選び方も重要になります。
一般的に非常用持ち出し袋は、背負って避難できるリュックタイプが望ましいとされています。加えて本体が軽量で防水・防火加工が施されているものだと、火災や台風などといったさまざまな状況での避難に対応できるでしょう。
【基本】非常用持ち出し袋で本当に必要なものリスト
非常用持ち出し袋を準備する際には、災害時ですぐ避難できるように、中身は本当に必要最低限のものだけを入れることが大切です。以下のリストは、非常用持ち出し袋で本当に必要なもののうち、生活必需品といえる基本アイテムとなります。
- 飲料水
- 食品・非常食
- 貴重品
- 現金
- スマートフォン・手回し充電ラジオ
- 非常用バッテリー
- 懐中電灯・LEDランタン
- タオル・防寒用アルミシート
- 衣類(下着など)
- 救急・衛生用品
- 筆記用具(紙・ペン)
- 笛
- ハザードマップ
飲料水
「飲料水」は生命維持において本当に必須のアイテムであるため、必ず用意しておきましょう。500mlのペットボトルであれば一人あたり2~3本程度を目安とし、家族の人数分用意しておくことをおすすめします。
食料・非常食
飲料水と同じく、避難中の生命維持で本当に必要なものが「食料・非常食」です。地震や台風などの災害時は電気やガスが使えない場合も多いため、非常用パンやビスケットなど、水や火などを使わなくても簡単に食べられるものが望ましいでしょう。
缶詰やレトルト食品については、非常用持ち出し袋に入れると移動時に重たく感じやすいため、自宅での備蓄用として用意することをおすすめします。
貴重品
「貴重品」は、避難先での身分証明や各種手続きで本当に必要となるアイテムです。保険証や運転免許証、預金通帳や印鑑など、一通りの貴重品はまとめておくと、避難時にスムーズに持ち出せます。
現金
貴重品と同じく本当に必要なものが「現金」です。特に災害時は、停電によって電子マネーやATMなどが使えなくなることが考えられます。インフラが復旧するまでは手元の現金で過ごすことになるため、2万円程度を目安に用意しておきましょう。
また、自販機で飲み物を購入するときや公衆電話から連絡するときなどは、1万円札や5千円札などのお札が使えないことが多くあります。そのため、100円玉や10円玉などの小銭を多めに用意し、お札と一緒に非常用持ち出し袋へ入れておくことをおすすめします。
スマートフォン・手回し充電ラジオ
非常時の連絡やリアルタイムな情報収集の手段として「スマートフォン・手回し充電ラジオ」は本当に必要なアイテムです。手回しラジオは、本体のハンドルを回すことで内部の発電機が作動して充電ができる仕組みのラジオを指します。
メーカーによってはラジオの視聴だけでなく、スマホの充電ができる手回し充電ラジオもあります。電池がなくても電力の確保ができるため、非常用持ち出し袋へ入れておくのがおすすめです。
非常用バッテリー
「非常用バッテリー」は、非常時の電力確保において本当に必要になるアイテムです。スマートフォンは避難時の主な情報収集手段になるため、バッテリー切れが起こらないように複数回充電できる大容量のモバイルバッテリーを一つ用意しておくとよいでしょう。
懐中電灯・LEDランタン
停電時や避難所までの移動中などで本当に必要となるのが「懐中電灯・LEDランタン」です。特に夜間や雨天での避難時は暗くて足元が見づらくなるため、足元をしっかり照らせるものを非常用持ち出し袋に入れておくとよいでしょう。
タオル・防寒用アルミシート
「タオル・防寒用アルミシート」は、防寒対策や雨天での避難時において本当に必要なアイテムです。タオルは濡れた身体を拭けるのはもちろん、避難所での睡眠時では目隠しにもなります。
防寒用アルミシートは軽くてかさばらないため、非常用持ち出し袋にも気軽に入れられます。組み合わせれば、寒い時期の避難にも活用できるでしょう。
衣類(下着など)
非常用持ち出し袋を用意するうえで本当に忘れられがちなのが「衣類」です。台風や地震などの災害で自宅が倒壊して衣類が持ち出せない場合、支援物資が来るまでの間、避難時の服装で過ごすことになります。
避難所でも清潔に過ごすためにも、下着を中心に3日分の着替えは非常用持ち出し袋へ入れておきましょう。
救急・衛生用品
避難中の怪我や体調不良などにも対応できるように「救急・衛生用品」は本当に必要なアイテムです。絆創膏や包帯、常備薬はもちろん、女性であれば生理用品なども用意しておきましょう。
また、避難所では不特定多数の人と同じ場所で過ごすことになるため、感染症対策のためにマスク・消毒液なども用意しておくことをおすすめします。
筆記用具(紙・ペン)
「筆記用具」も非常用持ち出し袋で本当に必要なアイテムです。災害発生時に家族と離れ離れになったときに筆記用具があれば、避難所や自宅にメモを残して置けます。
鉛筆だと芯が折れると書けなくなるため、できるだけ書いた文字が消えにくいマジックペンやボールペンを紙と一緒に用意しておきましょう。
笛
防災・防犯の一環として「笛」も本当に便利なアイテムです。大きな声が出せない人でも笛を吹くだけで大きな音を出せるため、トラブルが発生した際や地震などの災害に巻き込まれて避難できなくなったときにも周囲へ助けを求められます。
首からぶら下げられるタイプの笛であれば、非常用持ち出し袋に入れなくても持ち出せます。
ハザードマップ
安全に避難するうえで「ハザードマップ」は本当に重要な防災グッズです。ハザードマップとは、地震や津波など災害の種類ごとの被災想定地域や、被災時の避難場所が記載されている地図を指します。
地域ごとにハザードマップ(防災マップ)が公開されているため、ぜひ家族の人数分印刷して非常用持ち出し袋に入れておきましょう。
【あると便利】非常用持ち出し袋で必要なものリスト
本当に必要なものだけを入れるための非常用持ち出し袋ですが、持ち出し袋のスペースに余裕がある場合には以下のようなアイテムも入れておけば、避難中もより快適に生活できるでしょう。
- カセットコンロ
- 万能ナイフ
- ヘルメット・軍手
- ビニールシート
- ビニール袋
カセットコンロ
「カセットコンロ」は避難中の食事に幅を持たせられることから、持ち出し袋に余裕があれば入れておきたいアイテムです。災害でガスや電気が使えない状況だとどうしても冷たい食事をとり続けることになるため、特に寒い時期の避難では身体を冷やしてしまいます。
カセットコンロがあれば電気がなくても温かい食事をとれるうえ、カップラーメンやレトルト食品の調理もしやすくなるため避難時では本当に便利です。特に折りたたんで持ち運べるミニカセットコンロは軽量なものが多く、非常用持ち出し袋にも入れやすい傾向にあります。
万能ナイフ
「万能ナイフ」は、多彩な用途に使えるようにデザインされている小型ナイフです。食材のカットや缶詰などの開封、爪切り、栓抜きなどといった機能を持っているものが多いため、避難所での生活で役立つでしょう。
ヘルメット・軍手
「ヘルメット・軍手」は避難中のケガを防ぐために必要な防災グッズであるため、非常用持ち出し袋に余裕があれば入れておきましょう。
特に地震や台風などで避難する場合、落下物や飛来物にぶつかったり、割れたガラスなどに触れたりしてケガをしてしまう可能性があるため、事前に準備しておくことをおすすめします。
ビニールシート
「ビニールシート」は、非常時でも活躍するアイテムです。不特定多数の人が集まる避難所では床に敷けば自分が過ごすスペースを確保できますし、羽織れば雨具としても活用できます。簡単に畳むだけで非常用持ち出し袋へ入れられるため、余裕があれば入れておきましょう。
ビニール袋
日常生活だけでなく非常時でも便利なアイテムが「ビニール袋」です。汚れた服や食事で出たゴミをまとめるのはもちろん、新聞紙を入れて簡易トイレとして使うこともできます。
また、新品の小さいビニール袋があれば、手袋の代わりにもなります。多彩な使い方ができるため、非常用持ち出し袋には複数のサイズのビニール袋を入れておくとよいでしょう。
非常用持ち出し袋のおすすめの置き場所は?
避難はスピードが重要であるため、非常用持ち出し袋をすぐ持ち出せるように、置き場所をしっかり決めておくことも大切です。ここからは、非常用持ち出し袋のおすすめの置き場所を紹介します。
玄関
「玄関」は災害時の主な避難口となるため、非常用持ち出し袋の置き場所にもぴったりです。できるだけ出入口に近い場所に置いておくことで、袋の持ち出しから避難までがスムーズにできるでしょう。
リビング
部屋のなかでも長時間過ごすことが多い「リビング」も、非常用持ち出し袋の置き場所におすすめです。家族が集まりやすい場所でもあるため、災害発生時も一緒に行動できるでしょう。
また、在宅避難においてリビングは主な拠点になるため、非常用持ち出し袋だけでなく、備蓄用の食料なども一緒に置いておくとよいでしょう。
キッチン
食品を入れている非常用持ち出し袋については「キッチン」を置き場所にするのもおすすめです。特にパントリーは食品をまとめて保管できるため、非常時にサッと取り出しやすいでしょう。
また、在宅避難の際にも持ち出し袋と一緒に備蓄用の食料を置いておけば、食事の用意がスムーズにできます。
寝室
家族で個別に非常用持ち出し袋を用意している場合には「寝室」を置き場所にするのもよいでしょう。ベッドの近くに置いておけば、就寝中に災害が発生した際も本当に必要なものをスムーズに持ち出せます。
より素早く避難するために、持ち出し袋と一緒に靴やライトを置いておくことをおすすめします。
非常用持ち出し袋に入れるアイテムでいらなかったもの
持ち出し袋には必要最低限のものしか入れられないことから、実際に避難生活でいらなかったものを踏まえて、無駄なく防災グッズを準備することが大切です。ここからは非常用持ち出し袋に入れるアイテムでいらなかったものを紹介します。
野外用の大型テント
「野外用の大型テント」はアウトドアにおける野宿で使われますが、避難時にはいらなかったものとされています。避難所へ行けば基本的に野外で寝ることがなくなるうえ、大型のテントを持ち込むことで避難所にいるほかの避難者の迷惑になる可能性があるからです。
ろうそく
「ろうそく」は、停電時の照明の代わりとして使えるものの、火を使うことから使用時に火災のリスクがあるため、非常時にはいらなかったものとされています。災害時の火災は対応が遅れてしまう場合もあるため、できるだけ火を使わないLEDライトなどを使うようにしましょう。
方位磁石
方位磁石(コンパス)は、避難時のために用意する人はいるでしょう。しかし、方位磁石はあくまで北の方角がわかるだけで、具体的な避難経路は分かりません。本当に正確な避難経路はハザードマップやスマホでチェックできるため、非常時にはいらなかったものとされています。
毛布
寒い時期の避難に備え「毛布」を用意する人は多いでしょう。しかし、毛布はかさ張りやすいため、非常用持ち出し袋のスペースを圧迫してしまいます。防寒対策グッズを用意する場合は、毛布より軽量で持ち運びやすい防寒用アルミシートを準備しておくとよいでしょう。
スリッパ
「スリッパ」は、災害時での移動中に足元を保護するために用意する人は多いでしょう。しかし、災害時は床に割れたガラスや瓦礫の破片が散らばっていることも多く、スリッパでは靴底が薄いため、履いていても足をケガしてしまうことがあります。
そのため、避難時の足元の保護を考える場合は、スリッパよりも運動靴を用意しておきましょう。
ロープ
緊急脱出用・荷物の運搬用として使われる「ロープ」ですが、素人がロープを使って荷物の上げ下ろしや救出活動をするのは困難です。使えるシーンも限られてしまうため、実際の避難生活ではいらなかったものとされています。
非常用持ち出し袋を持って避難するときのポイント
必要なものを非常用持ち出し袋に入れたら、実際に避難するときに焦らず行動できるように、準備時・避難時のポイントを押さえておきましょう。ここからは、非常用持ち出し袋を持って避難するときのポイントを解説します。
持ち出すアイテムの入れ方を工夫する
非常用持ち出し袋を準備する際には、本当に必要なものを厳選するだけでなく、持ち出すアイテムの入れ方を工夫することも大切です。リュックに入れる際には軽いものが底の方へ、重たいものが上にくるように詰めることで、移動時に荷物が軽く感じやすくなります。
また、リュックに入れたものが一目で分かるように、何を入れたかをリスト化したメモを入れておきましょう。スムーズに避難生活を送れるように、使用シーンごとに荷物を小分けして収納することも大切です。
災害状況は正しい情報源からチェックする
災害状況は、正しい情報源からチェックしましょう。災害発生時は嘘の情報も飛び交うため、テレビやラジオのニュースなどから正しい情報を集めるようにしましょう。スマホが使える場合は、国が運営するサイトから災害状況や避難所などの情報を確認するのもおすすめです。
地震・津波警報などの情報を閲覧するなら国土交通省の「防災情報提供センター」、各地域の緊急一時避難施設の場所を検索するなら内閣官房の「国民保護ポータルサイト」などがよいでしょう。
役場からの避難指示・勧告に従う
避難のタイミングは、基本的に役場からの避難指示に従いましょう。災害発生直後に慌てて避難しようとすると、思わぬケガにつながる場合があります。なお、本当に身のまわりに危険が迫っていると判断できる場合は、役場からの避難指示がなくてもためらわず避難しましょう。
避難時には電気のブレーカー・ガスの元栓を確認する
避難する前には、自宅のブレーカーが切れているか・ガスの元栓は閉まっているかを確認してから自宅を出るようにしてください。ブレーカーなどがオンになったままだと火災の原因になるため、しっかりチェックしておきましょう。
徒歩での移動が基本
自宅から避難所へ向かう際には、原則として徒歩で移動するようにしてください。車での移動は渋滞を引き起こしてしまい、ほかの人の避難や消防・救急活動の妨げにつながる可能性があります。
まとめ
備蓄とは異なり、すぐに持ち出せるようにしておく必要がある非常用持ち出し袋だからこそ、本当に必要なものを厳選しておくのが必要です。今回紹介した必要なものリストを参考にしながら、万が一のときのためにしっかり準備しておきましょう。
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