
ファンドラップとは?投資信託との違いやおすすめな人などをわかりやすく解説
投資を始めたくても勉強や情報収集に割く時間がない、できるだけ失敗は避けたいという初心者におすすめなのが「ファンドラップ」です。この記事では、ファンドラップとは何か、投資信託の違いやおすすめな人の特徴にも触れつつ、初心者でもわかるように詳しく解説します。
ファンドラップとは

最初に、ファンドラップとは何か、投資信託との違いにも触れつつ解説します。
金融機関が顧客に代わり資産運用を行う
ファンドラップとは、金融機関が顧客に代わって資産運用を行うサービスのことです。詳しくは後述しますが、顧客と金融機関が投資一任契約を結び、運用の開始後は定期的な報告を受けます。投資資金を出すのは顧客ではあるものの、実際に資産運用を行うのは金融機関です。
簡単にいうと「プロにすべてを任せられる金融商品」です。
ファンドラップと投資信託との違い
ファンドラップと混同されがちなものに「投資信託」があります。投資信託とは、投資家から集めた資金を運用の専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券などに投資・運用し、そこから得られた利益を投資家に分配する金融商品のことです。
投資信託を買うことでファンドラップでの資産運用の成果と似た成果を得られますが、「何を買うか」「いつ売るか」といった購入・換金の判断は顧客が判断します。
対して、ファンドラップは購入・換金の判断も基本的に金融機関の担当者が判断するため、この点が投資信託との違いといえます。
ファンドラップのメリット

ファンドラップのメリットとは何か、より具体的に以下の2点について解説します。
管理・運用をプロに任せられる
ファンドラップのメリットとしてまず挙げられるのが、管理・運用をプロに任せられるという点です。ファンドラップでは、金融機関と投資一任契約を結んだ後、定期的に報告を受けるのが基本的な流れとなります。
市況が変化すれば資産配分の調整や見直しが必要ですが、基本的にそれも金融機関が行うので、自分で何かをすることはありません。基本的にすべての管理・運用をプロに任せ、自分で管理をする必要がないことは大きなメリットといえます。
長期分散投資ができる
ファンドラップには、「長期分散投資」ができるというメリットもあります。長期分散投資とは、20年以上などの長い期間、複数の金融商品にバランス良く投資することです。これにより損失を被るリスクを下げ、安定的な収益を得られるメリットがあります。
当然、金融機関の担当者も長期分散投資の考え方を元にファンドラップでも運用を行うため、間接的に長期分散投資ができると考えて構いません。
ファンドラップのデメリット

一方、ファンドラップには大きく4つの注意点があります。実際に依頼する際はしっかり理解しておきましょう。
投資顧問報酬などの費用が生じる
ファンドラップの注意点としてまず挙げられるのは、投資顧問報酬などの費用(コスト)が生じることです。具体的な項目や金額は金融機関によっても違いますが、主に以下の費用がかかります。
投資顧問報酬 | ファンドラップのサービス全体に対する手数料 |
運用管理費用 | ファンドラップを通じて購入する投資信託の運用・管理にかかる費用 |
ファンドラップを検討する際は、事前にどのような費用がどれだけかかるのか確認しておきましょう。
元本は保証されていない
ファンドラップは元本が保証されていないため、金融商品に投資をする際は元本割れを起こす可能性も考えられます。
安定した収益を出すためには、長期間の運用を前提にするとともに、入念な資金計画を立てることが重要です。
初期投資額が大きめ
ファンドラップは初期投資が大きめであることにも注意が必要です。具体的な金額は金融機関によって違いますが、最低投資額が100万円以上と比較的高額に設定されている場合が多く、ある程度まとまった資金がないと始められません。
少額の資金から投資を始めてみたい場合には、不向きなサービスである点に注意しましょう。
NISAは基本的に使えない
金融機関によっては、NISAの成長投資枠もしくはつみたて投資枠を使ってのファンドラップの購入ができないところもあります。
一方で、NISAの投資枠を使ったファンドラップの購入ができる金融機関もあるなど、金融機関によっても扱いに違いがあるため、どうしてもNISA投資枠を使いたい場合は、金融機関での具体的な扱いを確認してみましょう。
ファンドラップがおすすめな人

ファンドラップはどのような人におすすめなのか、具体的な特徴について解説します。
投資の経験・知識が浅い人
ファンドラップは、投資の経験や知識が浅い方におすすめです。
投資で安定して収益をあげるためには、相応の知識や経験が必要になります。そのため、初心者のうちは知識や経験のなさから判断を間違えやすく、損失を被るリスクが高くなるため注意しなくてはいけません。ファンドラップなら、相応の知識や経験を持つ専門家が代わりに運用してくれるため、自己流で判断するのに比べ、間違える可能性は低くなります。
多忙で投資に割く時間がない人
「投資を始めたいけど、なかなか時間が取れない」という方にも、ファンドラップがおすすめです。
投資で収益を安定して上げるためには、経済・政治のニュースから市場の動向をチェックするなど、綿密な作業を継続して行う必要があります。しかし、仕事などで忙しい人にとって、これを毎日続けるのは難しいでしょう。
ファンドラップであれば、金融機関の担当者が日々市場をリサーチし、その時の状況に応じた投資判断を行います。もちろん、自分でも市場の大きな動きには注目し続けることが望ましいですが、すべてを自分で行う場合と比べ、必要な労力は大幅に減らせるはずです。
長期で資産運用を考えている人
ファンドラップは、専門家である金融機関の担当者の目線から市場の動向を見極め、長期的な資産形成に向けて運用を行います。そのため、長期での資産運用を考えている方にも向いています。
また、長期間に渡って資産運用を続けていくと、市場の変動によって投資元本の比率がずれてしまうかもしれません。ずれてしまった比率を定期的に戻す手続きのことを「リバランス」といいますが、これを自分で行うと間違った判断となり、損失を被るリスクが出てきます。
しかし、ファンドラップではリバランスも金融機関に一任できるため、自分で資産配分の見直しをする必要はありません。
手数料がかかることをいとわない人
ファンドラップに限らず、資産運用において収益があげられたとしても、手数料が高ければその分収益は減ってしまいます。そのため、本来であればできるだけ手数料を低く抑えるのが望ましいです。
しかし、ファンドラップを通じて投資する場合、金融機関によっても違いはありますが相応の費用がかかります。そのため、費用を払ってでも安定的に収益を得たいと思える人に向いている資産運用といえるでしょう。
しかし、ファンドラップを通じて投資する場合、金融機関によっても違いはありますが相応の費用がかかります。費用を払ってでも安定的に収益を得たいと思える人に向いている資産運用と言えるでしょう。
ファンドラップの始め方

ファンドラップの始め方の流れは以下のとおりです。
①投資目的や運用方針を話し合う
まず、金融機関にファンドラップを始めたい旨を伝え、担当者と投資目的や運用方針について話し合います。より具体的には以下の点について、お互いの認識をすり合わせましょう。
- 運用の目的
- 運用を続けたい期間
- 運用可能金額
- 許容できるリスク量
②運用スタイルの提案を受ける
投資目的や運用方針についてお互いの認識をすり合わせたら、担当者から運用スタイルの提案を受けます。提案内容に対し細かい部分まで質問や希望を伝え、納得ができる形に仕上げていきましょう。
③投資一任契約を締結する
提案された運用スタイルに問題がなければ、金融機関と投資一任契約を締結します。契約書の中身を確認し、不明な点などがあれば確認しましょう。
④運用を開始して定期的に報告を受ける
正式に投資一任契約が締結されると、金融機関は運用を開始します。定期的に担当者から報告を受けることになるため、その際に質問や希望があれば伝えましょう。
まとめ

ファンドラップはいわば「プロにすべてお任せする」資産運用であるため、投資の知識や経験が乏しかったり、情報収集に割く時間がなかったりする場合にも向いている方法です。
一方で、ある程度まとまった資金が必要であるうえに、元本割れを起こす可能性はあります。投資初心者である程度投資資金があるなら、ファンドラップで長期安定運用を目指しつつ、少額で良いので自分でも投資信託や株式運用をしてみましょう。
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