退職代行とは?サービスの流れとメリット・デメリット、利用時の注意点を解説
退職代行とは、退職時の会社との交渉を代行してくれるサービスです。精神的負担が少なく退職できるなどのメリットから近年人気を集めている退職代行ですが、実際にどのような流れで進むのか、メリットだけでなくデメリットも利用前にチェックしていきましょう。
退職代行とは?
    
	  退職代行とは、本人に代わって退職の意思を会社へ伝え、スムーズな退職手続きをサポートしてくれるサービスです。上司に直接「辞めたい」と言えない場合や、強い引き止め、パワハラなどで精神的に大きな負担を抱えている方などから、近年人気を集めています。
退職代行サービスは、それぞれ対応範囲や料金体系が異なります。法的な交渉をしてほしい、費用を抑えて最低限のサービスをしてほしいなど、自分の状況に応じて適切なサービスを選びましょう。
退職代行サービスの流れ
    
	  退職代行サービスは、申し込みから退職成立まで一連の流れがあります。
ここでは、退職代行を実際に利用する際の流れを詳しく解説します。スムーズに手続きを進めるためにも、利用前に確認しておきましょう。
申し込む前に業者を比較・確認する
退職代行を利用する前に、複数の業者を比較することが大切です。退職代行サービスには「弁護士が運営するタイプ」「労働組合が運営するタイプ」「一般企業が運営するタイプ」などがあり、対応できる範囲や料金体系が異なります。
例えば、未払い賃金や損害賠償などの法的交渉が必要な場合は弁護士運営の業者、費用を抑えて早く退職したい場合は労働組合型や一般型が向いています。
また、申し込み前に以下の点を確認しておくと安心です。
- サービス内容(連絡代行だけか、交渉対応も可能か)
 - 費用や追加料金の有無
 - 返金保証やアフターフォローの有無
 - 即日対応の可否
 - 口コミや実績
 
退職代行の利用を申し込む
多くの退職代行業者は公式サイトで24時間利用の申し込みを受け付けており、相談から手続きまでスムーズに進められます。
申し込み時には退職希望日、勤務状況、企業とのトラブルの有無など、基本的な情報を伝えられるようにしておきましょう。また、利用料金やサービス範囲についても確認しておくとトラブルを避けやすくなります。
退職代行業者によっては即日対応が可能な場合もありますが、事前に契約条件を十分把握しておくことがおすすめです。
打ち合わせを行い契約に進む
申し込み後の流れとしては、担当者との打ち合わせがあり、詳細な状況を確認したうえで契約に進むのが一般的です。
打ち合わせでは退職理由や企業からの連絡をどのように受けたいか、有給休暇の消化を希望するかなど具体的な要望をヒアリングされるケースが多いです。会社とのトラブルがある場合は、その内容を正確に伝えるようにしましょう。
契約前に費用、返金条件、対応可能な範囲などをしっかり確認しておくと、後々のトラブルを避けられます。
退職代行が実行される
契約が完了すると、退職代行業者が利用者に代わって会社へ退職の意思を伝えます。退職代行業者は会社の人事部や上司に連絡を取り、退職希望日や退職理由を伝えてくれます。このとき、利用者本人が直接会社とやり取りする必要はありません。
退職の意思が正式に伝わると会社は退職手続きを進めるので、次のステップに進みましょう。
貸与物の返却などを済ませる
退職代行業者が連絡や交渉を済ませた後、利用者がおこなう必要があるのが会社への貸与物の返却です。社員証、制服、社用携帯、パソコン、鍵など、勤務中に会社から支給された物を返却しましょう。多くの場合は郵送できるため、直接会社に出向く必要はありません。
また、退職に伴って健康保険資格喪失証明書、源泉徴収票、離職票などの必要書類も受け取る必要があります。これらは会社から自宅に郵送されるのが一般的です。
アフターフォローが行われる
退職代行サービスによっては、退職成立後のアフターフォローをしてくれることもあります。 たとえば、離職票の受け取り状況を確認してくれるサービスや、未払い賃金に関する相談窓口を設けているケースなどです。転職支援のサービスを併用すれば、次の就職先探しまでスムーズに進められます。
アフターフォローが充実している業者を選べば、退職後の不安を最小限に抑えられるでしょう。
退職代行を利用するメリット
    
	  ここでは、退職代行を利用する具体的なメリットを紹介します。
退職を申し出る精神的負担がなくなる
退職代行を利用すれば、本人が直接上司や人事に「辞めたい」と伝える必要がなくなります。 職場での人間関係が原因で退職したい場合、本人が直接申し出るのは大きな精神的ストレスになることも多いです。特にパワハラやセクハラなどが関わっている場合は、会社と連絡を取ること自体が苦痛に感じることもあるでしょう。
退職代行を利用すれば、業者が代わりに退職の意思を伝えてくれるので、会社との電話や面談を避けてスムーズに退職手続きを進められます。
引き止められる心配がなくなる
退職を申し出た際、ポジションや会社の状況によっては引き止めに合う可能性が高いです。上司から「プロジェクトが落ち着いたら退職してはどうか」「人手不足だから辞めないでほしい」と説得されるケースは珍しくありません。
ですが、退職代行を利用すれば代行業者が本人に代わって退職の意思を伝えてくれるので、こうした引き止めに悩まされることがありません。基本的なやり取りはすべて業者を通じて行えるため、不本意な交渉を強いられる心配も少なくなります。
退職後のトラブルを避けられる
退職代行を利用すると、退職に伴うトラブルを未然に防ぎやすくなります。
たとえば、退職届の受理を拒否される、貸与物を返却しなければ退職を認めないといった不当な対応を会社が取ることがあります。こうした場合でも、退職代行業者が間に入れば会社側の不当な主張を抑えられる可能性が高いです。
退職の意向を伝えるとトラブルに発展しそうな場合や過去にトラブルになった場合などは、退職代行を活用するのがおすすめです。
退職代行を利用するデメリット
    
	  退職代行は便利なサービスですが、メリットばかりではなくデメリットもあります。
ここでは、退職代行を利用するデメリットについて詳しく解説します。
サービスの利用には費用がかかる
退職代行を利用する際の大きなデメリットは、サービスに費用が発生する点です。料金相場は2万〜5万円程度で、弁護士が対応する場合はさらに高額になるケースもあります。経済的に余裕がない方にとって、この費用は負担に感じられるでしょう。一方で、精神的な負担を軽減できる点や退職後のトラブルを防げる可能性を考慮すれば、必要な投資ともいえます。
退職代行の利用を検討する際は、料金だけでなく現状やサポート内容、アフターフォローの有無などを総合的に比較するといいでしょう。
前職の同僚・上司などとの関係が悪くなる
退職代行を利用すると同僚や上司、人事との退職に関する直接のやり取りがなくなるため、それが悪い印象を与える可能性があります。最後まで責任を果たさなかった、突然辞めたと受け止められると、人間関係が悪化することもあります。同じ業界に転職する場合は、転職先に評判が伝わるリスクもゼロではありません。
精神的に追い込まれている状況では自分を守ることが最優先ですが、将来的な人間関係を考えると退職代行の利用は一定のデメリットになる可能性があることも理解しておきましょう。
弁護士以外は法的な交渉ができない
退職代行業者の多くは、会社に退職の意思を伝えることが主な業務であり、法的な交渉権限は持っていません。
例えば、未払い残業代や退職金、有給休暇の強制取得といった法的な問題については、弁護士でなければ交渉ができません。一般的な退職代行業者に依頼する場合、基本的に代行内容は伝達のみとなる点を理解しておきましょう。
会社との金銭的なトラブルを抱えている方や、不当な損害賠償請求を受ける可能性がある方は、弁護士に相談すると安心です。
退職代行を利用する際の注意点
    
	  退職代行サービスは便利ですが、利用するにあたっていくつか注意すべき点があります。
退職代行の交渉ができるのは弁護士のみ
退職代行業者の多くは、会社に退職の意思を伝えることをメインのサービスとしており、法的交渉をおこなう権限はありません。未払い残業代の請求や退職金の交渉、有給休暇の消化など、法的な判断が必要なケースに対応できるのは弁護士だけです。
ただ会社に辞めることを伝えてほしいのか、お金や権利の問題も含めて交渉してほしいのかによって、依頼先を選ぶ必要があります。もし会社とのトラブルが予想される場合は、多少費用が高くても弁護士が対応してくれるサービスを選ぶのが安全です。
事前に料金形態を確認しておく
退職代行サービスの料金は2万〜5万円程度が相場ですが、業者によってシステムが異なり、追加費用が発生するケースもあります。
例えば、即日対応、深夜対応などで追加料金が加算されることもあり、事前に確認しておかないと想定外の出費になってしまいます。弁護士が対応してくれる退職代行業者は料金が高額になることも多いですが、対応範囲が広いため単純に安さだけで選ばないほうが安心です。
トラブルを避けるには、契約前に料金総額・支払い方法・返金条件などを必ずチェックし、納得したうえで依頼しましょう。
会社との必要最低限の連絡は必要
退職代行を利用すれば会社との直接的なやり取りは大幅に減りますが、完全にゼロにはなりません。例えば、会社から郵送される源泉徴収票や離職票の受け取り、健康保険証の返却など、書類や物品のやり取りは本人がおこなう必要があります。
また、銀行口座や住所変更など実務的な連絡が必要になる場合もあります。これらは退職代行業者が代わりに処理できないため、従業員側が責任を持って対応しなければなりません。
すべてをお任せできると誤解しているとトラブルの原因になるため、必要最低限のやり取りが発生することは理解しておきましょう。
まとめ
    
	  退職代行は精神的負担などを軽減できる便利なサービスですが、利用時には注意すべき点もあります。自分に必要なサービスや用意できる費用などを見極めて、最適な退職代行業者を見つけましょう。
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