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退職したらすること【基本の5つ】必要な書類や手続きを期限順に分かりやすく解説

退職したらすること【基本の5つ】必要な書類や手続きを期限順に分かりやすく解説

会社を退職したら、税金の支払いや健康保険の切り替えなどのさまざまな手続きが必要です。しかし、何から手をつければ良いかわからない…という方もいますよね。本記事では、退職したらすることの基本の5つをご紹介します。手続き方法と必要書類、申請期限などを解説しているので、参考にしてみてください。

2024年1月25日 くらす

Supervisor監修者

苛原 寛

1級FP技能士
苛原 寛

大学卒業後、東京海上日動火災保険株式会社に就職。法人営業部で保険提案を3年間行ったのちに独立。現在はフリーランスとして、お金に関するWeb記事の執筆や個人のライフプランニング作成、実行支援を行っている。

【期限順】退職したらすること一覧

まずは、退職したらするべき5つの事項を期限順に解説します。どれも大切な手続きですので、やり残しのないように気をつけましょう。

【期限順】退職したらすること5つ
  1. 住民税の支払い
  2. 失業手当の申請
  3. 年金の切り替え
  4. 健康保険の切り替え
  5. 確定申告

これらの手続き方法は退職の時期や次のキャリアなどによって異なるので、それぞれ解説していきます。

退職したらすること①住民税の支払い手続き

退職したらすることの1つ目は、住民税の支払い手続きです。住民税の支払い手続きで必要となる書類は以下のとおりとなります。

住民税の支払い手続きに必要な書類
  • 給与所得者異動届出書(1ヵ月以内に転職する場合のみ)

1ヵ月以内に転職する場合

退職したら1ヵ月以内に転職するという方は、住民税の支払いを転職先での給与から天引きするための手続きが必要です。

住民税を納めている市のホームページなどから「給与所得者異動届出書」をダウンロードして、転職前の会社に必要事項を記入してもらいましょう。

その後、転職後の会社に「給与所得者異動届出書」を提出すれば、転職後の会社が住民税の支払いを給与天引きとするための手続きが行われます。

転職までの期間が1ヵ月以上空く場合や独立する場合

退職から転職までの期間が1ヵ月以上空くという場合や、フリーランス・自営業者として独立する場合などは、退職時期によって住民税支払いの手続き方法が異なります。

退職時期が1月1日~5月31日の場合

1月1日~5月31日に退職する場合は、住民税の支払い手続きは不要です。

住民税は1年間の所得に対する税金を6月1日~5月31日までの1年間で納める仕組みですが、1月1日~5月31日に退職した場合は未納分の住民税が退職月の給与や退職金から一括で徴収されます。

例えば、1月30日に退職した場合は1月の給与や退職金から2~5月に納める予定だった住民税も徴収される仕組みです。そのため、住民税の支払い手続きを自分で行う必要はありません。

なお、6月時点でも転職先が決まっていない場合や自営業者として働いている場合は、それ以降の住民税の支払いは自分で行います。自治体から送られてくる納付書に従って支払いを行ってください。

退職時期が6月1日~12月31日の場合

6月1日~12月31日に退職する場合、退職以降から翌年5月までの住民税の支払い手続きは原則自分で行います。自治体から送られてくる納付書に従って住民税を支払いましょう。なお、転職する場合、翌年6月以降の住民税は給与天引きされます。

退職したらすること②失業手当の申請手続き

退職したらすること2つ目は、失業手当の申請手続きです。退職する日以前の2年間で雇用保険の被保険者期間が12ヵ月以上あり、かつ退職後の勤務先が決まっていないという条件に該当する人は失業手当の申請手続きを行いましょう。

失業手当の申請には、以下の必要書類をハローワークに提出します。

失業手当の申請に必要な書類
  • 雇用保険被保険者離職票
  • 個人番号確認書類(マイナンバーカード(個人番号カード)、通知カード、個人番号が記載された住民票のいずれか)
  • 身元確認書類(運転免許証など)
  • 本人写真
  • 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード

失業手当を受給する基本的な流れは以下のとおりです。

失業手当を受給する流れ
  1. ハローワークに必要書類を提出
  2. 雇用保険説明会を受講
  3. 失業手当支給日まで待機
  4. 失業手当の支払い開始
  5. 4週間ごとにハローワークへ職業相談

また、失業手当の支給額は前職の給与や年齢によって異なります。支給日数も、雇用保険の被保険者であった期間と年齢によって90~360日で決まる仕組みです。さらに、前職の退職理由によって支給開始期間も異なります。

自己都合による退職の場合

会社の倒産やリストラなどではなく、自分の意思で退職した場合は一般的に「自己都合による退職」とみなされます。

通常、失業手当は失業状態になった日の8日目以降から受給可能です。しかし、自己都合による退職の場合は追加で2ヵ月または3ヵ月の給付制限期間が発生します。

失業手当が受け取れるのは、給付制限期間が終わったあとになるため注意しましょう。

会社都合による退職の場合

会社の倒産やリストラなど、自分ではどうしようもない退職の場合は「会社都合による退職」とみなされます。会社都合による退職の場合は、失業状態になった日の8日目以降から失業手当を受給可能です。退職したら、速やかに申請手続きを行いましょう。

退職したらすること③年金の切り替え手続き

退職したらすること3つ目は、年金の切り替え手続きです。退職後のキャリアによって必要書類は異なるため、ご自身のケースに当てはめて確認してみてください。

年金の切り替え手続きに必要な書類
  • 年金手帳または基礎年金番号通知書(国民年金に切り替える場合)
  • 健康保険喪失証明書などの被用者年金制度の資格喪失日を証明できるもの(国民年金に切り替える場合)
  • 被扶養者届(配偶者の扶養に入る場合)

転職する場合

退職したら転職するという場合は、自分で切り替え手続きを行う必要はありません。基礎年金番号かマイナンバーを会社に伝えれば、会社が切り替え手続きを行ってくれます。

個人事業主やフリーランスとして独立する場合

退職したら個人事業主やフリーランスとして独立するという場合は、国民年金への切り替えが必要です。年金手帳もしくは基礎年金番号通知書と、退職前の会社などから受け取る退職証明書や健康保険喪失証明書などの被用者年金制度の資格喪失日が証明できるものを持って年金事務所に提出しましょう。

なお、退職から14日以内の手続きが必要な点に注意が必要です。

配偶者の扶養に入る場合

会社員や公務員などの配偶者の扶養に入る場合、扶養する配偶者が勤務先に対して申請を行います。被扶養者届を会社へ提出することで、会社が年金の切り替え手続きを行う仕組みです。

こちらは、退職したら5日以内に手続きを行いましょう。

退職したらすること④健康保険の切り替え手続き

退職したらすること4つ目は、健康保険の切り替え手続きです。健康保険の切り替え手続きに必要な書類は以下のとおりとなります。

健康保険の切り替え手続きに必要な書類
  • 健康保険被保険者資格証明書交付申請書(転職する場合)
  • 任意継続被保険者資格取得申出書(任意継続被保険者となる場合)
  • 国民健康保険関係届(国民健康保険に加入する場合)
  • 健康保険資格喪失証明書(国民健康保険に加入する場合)
  • マイナンバーがわかるもの(国民健康保険に加入する場合)
  • 健康保険被扶養者届(配偶者の扶養に入る場合)

転職する場合

退職したら転職するという場合、健康保険の切り替え手続きは不要です。転職後の会社が手続きを行います。ただし、新たな健康保険証が発行されるまでに数週間かかるため、その間に医療機関を受診する場合は「健康保険被保険者資格証明書」が必要です。

会社もしくは被保険者が「健康保険被保険者資格証明書交付申請書」を年金事務所に提出することで、申請手続きを行います。

個人事業主やフリーランスとして独立する場合

退職したら個人事業主やフリーランスとして独立するという場合は、任意継続被保険者または国民健康保険に加入する場合があります。

任意継続被保険者となる場合

任意継続被保険者とは、退職までに加入していた健康保険の被保険者として退職後も継続する方を指します。退職後最大2年間はその資格を保有することが可能です。

収入などによっても異なりますが、場合によっては国民健康保険に新たに加入するよりも保険料を抑えられます。

任意継続被保険者となるには、退職前の健康保険運営者(「協会けんぽ」か「健康保険組合」)に「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出します。退職日から20日以内が提出期限です。

国民健康保険に加入する場合

国民健康保険へ切り替えるという場合は、市または区役所に必要書類を提出します。市や区のホームページなどから「国民健康保険届」をダウンロードして記入してください。

また、退職前の勤務先や協会けんぽから受け取る健康保険資格喪失証明書とマイナンバーがわかるものも同時に提出します。

こちらの手続きは、退職したら14日以内に行うことを忘れないようにしましょう。

配偶者の扶養に入る場合

会社員や公務員などの扶養に入る場合、年間収入がわかる書類などと一緒に健康保険被扶養届出を配偶者の会社に提出しましょう。退職したら5日以内の手続きが必要です。

退職したらすること⑤確定申告の手続き

退職したあとにすること5つ目は、確定申告です。

年末までに転職した場合

年末までに転職した場合、確定申告は原則不要です。転職前の会社からもらう源泉徴収票を転職後の会社に提出しましょう。年末調整などで会社が所得税の調整を行ってくれるため、基本的に自分で確定申告をする必要はありません。

年末までに転職しなかった場合や個人事業主として独立した場合

確定申告は、年末までに転職しなかった場合や、個人事業主として独立した場合にのみ必要となる手続きです。必要となる書類は以下のとおりとなります。

確定申告に必要な書類
  • 確定申告書
  • 本人確認書類
  • 源泉徴収票や青色申告決算書などの所得を証明するもの

年末までに転職しなかった場合や、個人事業主として独立した場合は、1年間の所得を税務署に申告して、所得税を納めます。確定申告書を作成して、税務署へ提出しましょう。提出期間は、基本的に2月16日~3月15日です。

e-Taxを使った電子申告もできるため、書類でのやりとりをしたくない人は、ぜひe-Taxの利用を検討してみてください。

退職後に不安になるのは、やはりお金のことではないでしょうか。転職する方もフリーランスに転身する方も、投資で資産運用してみるのはいかがでしょうか。次の記事では、初心者におすすめの少額投資について解説しています。

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まとめ

退職したらすることをご紹介しましたが、思ったよりもたくさんあったのではないでしょうか。また、それらは退職後のキャリアや退職時期などによって必要な対応が異なる点に注意が必要です。

手続き方法などがわからなかったり、迷ってしまう場合には、市役所や転職先の人事部などへ問い合わせてみてください。新しい仕事環境をスムーズにスタートさせるためにも、着実に準備を進めましょう。

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