【独身者】最低限入っておくべき保険はコレ!年代別、男女別におすすめの選び方をご紹介
加入すべき保険の種類は、人によって異なります。では、独身者はどの保険に入るべきなのでしょうか?本記事では、独身者が最低限入っておくべき保険をわかりやすく解説します。年代別、男女別に紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
Supervisor監修者
1級FP技能士苛原 寛
大学卒業後、東京海上日動火災保険株式会社に就職。法人営業部で保険提案を3年間行ったのちに独立。現在はフリーランスとして、お金に関するWeb記事の執筆や個人のライフプランニング作成、実行支援を行っている。
独身者と既婚者で保険の選び方はどう違う?
独身者と既婚者では、保険の選び方が異なります。既婚者は自分だけでなく配偶者や子どもなど、家族のことを考えて保険を選ぶ必要がありますが、独身者は自分ひとりの経済状況やリスクを検討することになります。
独身者が最低限入っておくべき保険5選
自分ひとりのことであれば、保険についてあまり深刻に考えない方もいらっしゃるかもしれません。しかし、独身者でも将来に備えて最低限入っておくべき保険が存在します。
医療保険
独身者が最低限入っておくべき保険の1つ目は、医療保険です。医療保険に加入していると、病気やケガなどで入院・通院をした際に給付金を受け取れます。日額5000円など、「実際に入院や通院した日数×契約時に決めた日額給付金」を受け取れるものが一般的です。
日本は高額療養費制度があり、収入や年齢に応じて月に自己負担する医療費の上限金額が決まっています。ただし、入院時の差額ベッド代や病院の食費は高額療養費制度の適用対象外です。そのため、長期入院すると自己負担すべき費用がかさみます。
このような自己負担費用の増加を給付金で賄えることも、医療保険に加入するメリットです。
がん保険
独身者が最低限入っておくべき保険の2つ目は、がん保険です。がん保険の給付金の受け取り方は、がんと診断された際に一時金が受け取れるものと、入院日数に応じて保険金が受け取れるものの2種類です。
がんにり患した場合、効果的な治療方法として医師から先進医療による治療を勧められる可能性があります。ただし、先進医療は保険適用外で治療費も高額です。
例えば、先進医療の「陽子線治療」や「重粒子線治療」は、約300万円もの治療費がかかります。
がん保険の先進医療特約を付帯すれば、給付金を利用してそのような高額な先進医療を受けることができます。そのため、がんによる高額な治療費へ備えたい人には、がん保険の活用がおすすめです。
生命保険
独身者が最低限入っておくべき保険の3つ目は、生命保険です。独身者が最低限入っておくべき保険の一つとして、生命保険もあげられます。生命保険は、自分が死亡した際に家族などが保険金を受け取れる商品です。途中で解約すると解約返戻金を受け取れるものもあり、資産形成の手段としても活用できます。
一般的に、独身者は既婚者と比べて必要な保険金額が少額です。既婚者は遺された配偶者や子どもの生活費を考える必要がありますが、独身者はそのような必要はないでしょう。しかし、独身者でも死亡した際には葬式や墓代がかかるため、最低限の保険金額での加入をおすすめします。
就業不能保険
独身者が最低限入っておくべき保険の4つ目は、就業不能保険です。就業不能保険に加入していると、病気やケガなどで長期間働けなくなった場合に保険金を受け取れます。独身者は生活費を自分で用意する必要があるため、就業不能保険の必要性は高いといえます。
ただし、会社員や公務員が原則加入する健康保険には傷病手当金という制度があり、日常生活の病気やケガで長期間働けなくなった場合に今までの収入の約3分の2の金額を最長1年6ヵ月間受け取れます。
そのため、会社員や公務員の人は傷病手当金と併せて不足する収入を補える保険金額の就業不能保険への加入を検討しましょう。一方で、自営業者やフリーランスは傷病手当金を受け取れません。自営業者やフリーランスは、就業不能保険の活用を積極的に検討してみてください。
個人年金保険
独身者が最低限入っておくべき保険の5つ目は、個人年金保険です。個人年金保険に加入していると、保険料を払込むことで老後などに公的年金の上乗せとして保険金を受け取れます。老後にもらえる年金が少ない人や、年金受給額を増やしたい人におすすめの保険です。
個人年金保険の種類は、主に以下の3つとなります。
- 確定年金:契約時に定めた一定期間は年金が受け取れる。死亡した場合でも、遺族などが年金を受給可能。
- 有期年金:契約時に定めた一定期間は年金が受け取れる。ただし、死亡すると年金の支給はストップする。
- 終身年金:死亡するまで、年金を受け取り続けることが可能。死亡すると年金の支給はストップする。
一般的に有期年金の保険料がもっとも安く、終身年金の保険料がもっとも高いです。ぜひ、自分に合った個人年金保険の活用を検討してみてください。
【年代別】独身者におすすめの保険の選び方
独身者におすすめの保険の選び方を、20代から50代の年代別にわけて紹介します。
独身20代向け
独身の20代の方は、医療保険への加入を検討してみてください。特に20代は貯蓄が少ない傾向にあるため、突然の病気やケガで長期入院が必要となった際に治療費を支払えないリスクがあります。参考として、単身世帯の年代別にみた貯蓄額は以下のとおりです。
年代 |
平均値 |
中央値 |
20代 |
176万円 |
20万円 |
30代 |
494万円 |
75万円 |
40代 |
657万円 |
53万円 |
50代 |
1,048万円 |
53万円 |
20代の貯蓄額の中央値は20万円です。これでは、長期入院による治療の費用を払い続けられない可能性があるでしょう。ぜひ、20代は医療保険の活用を検討してみてください。
独身30代向け
30代になると社会経験も長くなり、中には独立を考える人もいるかもしれません。最近はフリーランスなどの新しい働き方も浸透しています。
ただし、個人事業主は会社員や公務員が加入する健康保険の傷病手当金がないため、万が一働けなくなった場合に収入が激減する可能性が高いです。そのため、個人事業主として働く人は就業不能保険への加入を検討してみてください。
また、30代は生命保険の加入も検討したいタイミングです。生命保険は、早く加入するほど毎月の保険料が安く済みます。保険金額をそこまで高額とする必要はないかもしれませんが、ぜひ検討してみましょう。
独身40代向け
40代の方は特に、個人年金保険への加入を検討してみてください。40代は、老後の生活を考え出す人が多い年代といえます。老後の生活を支えるのは「年金」です。ただし、年金受給額は、働き方や平均年収によって異なります。
ここで、会社員の平均年収ごとの年金受給額をシミュレーションしてみましょう。1980年生まれで23歳から60歳まで働き、65歳から年金を受け取る場合が前提です。シミュレーション結果は以下のとおりとなります。(厚生労働省「公的年金シミュレーター」をもとに作成)
平均年収 |
年金受給額 |
300万円 |
年間135万円 |
400万円 |
年間152万円 |
500万円 |
年間174万円 |
600万円 |
年間195万円 |
700万円 |
年間212万円 |
平均年収が低い人は、年金受給額も少額です。また、個人事業主やフリーランスなどはさらに年金受給額が少なくなります。そのため、年金受給額を増やしたい人は個人年金保険への加入がおすすめです。
生命保険文化センター「2022(令和4年)年度生活保障に関する調査」によると、40代の個人年金保険加入率(全生保)は男女ともに22.7%です。
40代の約4~5人に1人は、個人年金保険に加入しています。老後対策として、40代からの個人年金保険への加入を検討してみてください。
独身50代向け
50代になると、病気になる可能性がより高まります。特に、がんは多くの人がり患する病気で、日本人の死因の第一位です。そのため、がんにかかった際の入院費や治療費に備えたい人は、がん保険への加入を検討しましょう。
生命保険文化センター「2022(令和4年)年度生活保障に関する調査」によると、50代のがん保険・がん特約の加入率(全生保)は男性で45.5%、女性で49.2%となっています。
り患する確率が高く、治療方法の選択肢を広げるためにも、がん保険への加入を検討してみてください。
【男女別】独身者におすすめの保険の選び方
最後に、独身者におすすめの保険の選び方を男女別に解説します。
独身男性向け
独身男性は、特にがんリスクへの備えを考えてみてください。国立がん研究センター「最新がん統計」によると、日本人男性が一生のうちにがんと診断される確率は65.5%です。
女性ががんと診断される確率は51.2%のため、女性よりも男性の方ががんにり患する確率が14.3%も高くなっています。
がんにり患する確率が高く、治療の選択肢を広げるためにも、がん保険や医療保険への加入を検討してみてください。
独身女性向け
独身女性は特に、長生きリスクへの備えを考えてみてください。厚生労働省の「簡易生命表(令和3年)」によると、男性の平均寿命は81.47歳、女性の平均寿命は87.57歳です。女性は、男性よりも平均で6.1歳長生きします。
そのため、長生きにより生活費が不足するリスクに備えましょう。例えば、もらえる年金が月10万円で生活費が月15万円のケースでは、月に5万円、年間で60万円が不足します。25年間の老後生活を送る場合、不足する生活費の総額は1,500万円です。
1,500万円を貯蓄で用意するのは難しい人もいるでしょう。そのような人は、個人年金保険による年金の上乗せがおすすめです。終身年金を選べば、生きている限り年金の受給が続きます。年金受給額が少ない独身女性は個人年金保険への加入を検討してみてください。
まとめ
独身者は、自分を守るために保険の加入が必要です。また、働き方や年代によって必要な保険や保険金額は異なります。本記事で紹介した保険の選び方を参考にして、最低限入っておくべき保険への加入を検討してみてはいかがでしょうか。
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