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住宅ローンの計算方法は?計算式や月々の返済シミュレーションをわかりやすく解説

住宅ローンの計算方法は?計算式や月々の返済シミュレーションをわかりやすく解説

住宅ローンの組み方や種類によって、毎月の返済額や総返済額は異なります。では、住宅ローンの返済額はどのように計算するのでしょうか。本記事では、住宅ローンの返済額の計算式や月々の返済シミュレーションをわかりやすく解説します。

2023年9月15日 かりる

Supervisor監修者

苛原 寛

1級FP技能士
苛原 寛

大学卒業後、東京海上日動火災保険株式会社に就職。法人営業部で保険提案を3年間行ったのちに独立。現在はフリーランスとして、お金に関するWeb記事の執筆や個人のライフプランニング作成、実行支援を行っている。

住宅ローンの返済方法は2種類

住宅ローンの返済方法は、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類です。いずれかの返済方法を選んで、住宅ローンを契約します。

元利均等返済

元利均等返済は、毎月の返済額が一定となる返済方法です。住宅ローンは返済残高に対して利息がかかるため、基本的に返済初期は利息が多くなります。そのため、返済初期の高額な返済を避けるために有効な手段となります。

例えば、返済残高が2,000万円あるタイミングで発生する利息と返済残高が100万円しかないタイミングで発生する利息を比べると、前者の方が利息金額は高額です。これにより、契約当初の高額な返済が難しい人もいるでしょう。

そのような人は、元利均等返済を選ぶことで毎月の返済額を一定にでき、契約当初の返済額の増加を避けられます。

ただし、返済開始当初の返済額は、利息の占める割合が多いため元金の返済スピードが遅くなります。利息の総支払額が増え、返済総額が多くなることが元利均等返済のデメリットといえます。

元金均等返済

元金均等返済は、毎月の返済額のうち元本部分が一定となる返済方法です。例えば、1,800万円の住宅ローンを15年(180ヶ月)返済で借りる場合、毎月の元本返済額は10万円(1,800万円÷180ヶ月)となります。

ただし、毎月の利息部分の返済は変動する仕組みです。これは、契約当初は返済残高が多いために発生する利息も高額となることが要因となっています。しかし、元利均等返済と比べて契約当初の返済額が高額となる分、元金の返済スピードが速く、利息の総支払額を抑えることができます。

できるだけ早く住宅ローンを返済したい人や返済総額を抑えたい人、契約当初の返済負担が重くなっても問題ないという人は、元金均等返済を検討してみてください。

以下の記事では、住宅ローンの選び方についてご紹介しています。ご自身に合った金利タイプや返済方法をしっかり検討したい方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。

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住宅ローンの返済額を計算するうえで必要な項目

続いて、住宅ローンの返済額を計算するために把握すべき項目を紹介します。

金利

住宅ローンの返済額を計算するには、まず「金利」を把握しましょう。金利1%の住宅ローンと金利3%の住宅ローンでは、返済総額に大きな差が生まれます。また、金利を確認する際には、返済方法が「元利均等返済」なのか「元金均等返済」なのかも併せて確認してください。

さらに、金利には「固定金利」と「変動金利」の2種類があります。固定金利は、返済期間中の金利が一定です。一方、変動金利は経済状況などによって金利が変動します。一般的に、同時期で比較すると固定金利の方が変動金利よりも金利は高い傾向にあります。

借入金額

借入金額は住宅ローンの返済額を計算するうえで必ず必要な項目です。いくら借り入れるのかによって月々の返済額は異なるので、正確に把握しましょう。

返済年数(返済回数)

住宅ローンの月々の返済額を計算するうえでは、返済回数の把握も必要です。住宅ローンは毎月返済をするのが一般的なので、「返済年数×12か月」が返済回数となります。

ただし、住宅ローンはボーナスがもらえる月だけ返済額を増やす「ボーナス払い」の設定も可能です。ボーナス払いでは月々の返済額を変動させられるので、設定ができるかどうかを確認しておきましょう。

住宅ローン返済額の計算式

住宅ローンの返済額の計算式を、「元利均等返済」の場合と「元金均等返済」の場合にわけて紹介します。

元利均等返済の計算式

住宅ローンの返済方法が元利均等返済の場合、毎月の返済額の計算式は以下のとおりです。

毎月の返済額の計算式(元利均等返済の場合)
  • 借入金額×月利×(1+月利)返済回数※ / (1+月利)返済回数※ー1

※累乗

元利均等返済は返済額を毎月一定にするため、返済額に占める元本部分の金額を調整しています。そのため、計算式はやや複雑です。

また、元利均等返済で住宅ローンを組んだ場合の返済総額の計算式は、以下のとおりとなります。

返済総額の計算式(元利均等返済の場合)
  • 毎月の返済額×返済回数

元利均等返済は毎月の返済額が一定のため、毎月の返済額を返済回数でかければ返済総額を求められます。

元金均等返済の計算式

住宅ローンの返済方法が元金均等返済の場合、毎月の返済額の計算式は以下のとおりです。

毎月の返済額の計算式(元金均等返済の場合)
  • 借入金額÷返済回数+ローン残高×月利

元金均等返済における毎月の返済額の計算方法は、元利均等返済の場合と比べてシンプルな計算式となっています。

また、元利均等返済で住宅ローンを組んだ場合の返済総額の計算式は、以下のとおりです。

返済総額の計算式(元金均等返済の場合)
  • 借入金額+借入金額×月利×(返済回数+1)×0.5

住宅ローンの返済額をシミュレーション

さきほど紹介した計算式を用いて、住宅ローンの返済額を実際にシミュレーションしてみましょう。元利均等返済の場合と、元金均等返済の場合で分けてシミュレーションします。

元利均等返済の場合

元利均等返済の場合をシミュレーションします。シミュレーション条件は以下のとおりです。

シミュレーション条件
  • 借入金額:3,000万円
  • 返済期間:30年間(返済回数360回、ボーナス払いなし)
  • 金利:年利2.4%(固定金利)

まずは、毎月の返済額を計算するために金利を月利にします。年利2.4%のため、月利は0.2%(2.4÷12か月)です。

月利が計算できたら、毎月の返済額を算出します。計算結果は以下のとおりです。

毎月の返済額の目安
  • 3,000万円×0.002×(1+0.002)360 / (1+0.002)360ー1=12万3,177.3911円/1.053=11万6,977.5794円

毎月の返済額の目安は11万6,978円です。次に、返済総額の目安を計算しましょう。

返済総額
  • 11万6,977.5794円×360回=4,211万1,928.584円

返済総額の目安は4,211万1,929円です。借入金額3,000万円に対して利息部分の返済額が約1,211万円となっています。

元金均等返済の場合

次に、元金均等返済で住宅ローンを借り入れた場合をシミュレーションしましょう。シミュレーション条件は、元利均等返済の場合と同様です。

なお、元金均等返済は返済タイミングによって返済額が異なります。そのため、シミュレーションでは1回目の返済金額を計算します。

1回目の返済金額は以下のとおりです。

毎月の返済額の目安(1回目)
  • 3,000万円÷360回+3,000万円×0.002=8万3,333.3333円+6万円=14万3,333.3333円

1回目の返済金額の目安は、14万3,333円となっています。元金均等返済は返済を重ねるほど、1回の返済額が少なくなることも覚えておきましょう。次に、返済総額を計算します。

返済総額
  • 3,000万円+3,000万円×0.002×(360回+1)×0.5=3,000万円+1,083万円=4,083万円

返済総額の目安は4,083万円です。元利均等返済の場合の返済総額は約4,211万1,929円のため、返済総額に約128万円以上の差があります。

住宅ローンの返済額早見表

ここでは、住宅ローンの金利毎の返済額を早見表で確認しましょう。3,000万円を30年(返済回数360回)で返済する場合でシミュレーションします。早見表は以下のとおりです。

返済金額早見表(借入金額3,000万円・返済回数360回)

元利均等返済

元金均等返済

年利1%

3,473万7,068円

3,451万2,500円

年利1.5%

3,727万2,982円

3,678万7,850円

年利2%

3,991万8,903円

3,902万5,000円

年利2.5%

4,267万3,057円

4,128万1,250円

年利3%

4,553万3,235円

4,353万7,500円

金利によって返済総額は大きく異なるうえ、元利均等返済と元金均等返済による返済総額の違いも大きいです。ご自身に適した返済方法を慎重に検討してみてください。

住宅ローンの返済を簡単にシミュレーションする方法

住宅ローンの返済額の計算方法を紹介しましたが、実際に計算するのは大変ですし、時間がかかるものです。そこで、住宅ローンの返済額を手軽に時間をかけずに行いたい人は、シミュレーションサイトを利用しましょう。

足利銀行では、借入金額や返済期間、返済方法などを入れるだけで簡単に住宅ローンの返済額をシミュレーションできる「住宅ローンシミュレーション」をご用意しています。誰でも利用可能なので、ぜひ住宅ローンの返済額のシミュレーションにご活用ください。

足利銀行:住宅ローンシミュレーション

住宅ローンの返済額をシミュレーションする際の注意点

最後に、住宅ローンの返済額をシミュレーションする際に抑えておきたい注意点を解説します。

金利の変動リスクに注意する

住宅ローンの金利で「変動金利」を選択した場合、経済状況などによって住宅ローンの金利が変動します。金利が高くなると、毎月の返済金額も上がる仕組みです。

そのため、変動金利で住宅ローンを組む際は、途中で金利が上がることで返済総額が増えるリスクがあることを把握しておきましょう。

無理のない返済額でシミュレーションする

住宅ローンのシミュレーションは、無理のない返済額で行いましょう。シミュレーションした毎月の返済額が、現実的に支払い可能かを確認してください。高額な返済額を設定しますと、日々の家計を圧迫してしまいます。

住宅ローンの返済以外にかかる費用も考慮する

住宅を購入する際には、住宅ローンの返済以外にも費用が発生することにも注意しましょう。発生する主な費用は以下のとおりです。

持ち家にかかる主な費用(住宅ローンの返済以外)
  • 火災保険料
  • 固定資産税
  • 修繕費
  • 水道光熱費

家計を考える際には、上記の費用も考慮しましょう。

ボーナス返済の利用も検討する

住宅ローンの返済では、ボーナスがもらえる月の返済額を増やせる「ボーナス返済」の利用も可能です。ボーナス返済を利用すれば、完済までの期間が短くなり、返済総額を減らせます。

複数の金融機関で比較する

住宅ローンは、さまざまな金融機関が取り扱っています。金融機関によって金利が異なるため、住宅ローンは複数の金融機関で比較検討しましょう。

まとめ

住宅ローンは、返済期間や返済方法、金利によって返済額が異なります。条件次第では、総返済額が数十万円変わることも珍しくありません。ぜひ自分の家計を考慮しながら、できるだけ返済総額を減らせる住宅ローンの組み方を見つけてみてください。

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