初めての一人暮らし、何から準備する?最初に必要な対応や困り事への対策内容を解説
進学・就職などで初めて一人暮らしをする場合、何から準備すれば良いのかわからずに戸惑うかもしれません。そんな方に向けて、今回は最初に済ませるべき対応や困り事への対処法を詳しく解説します。実際に一人暮らしを始める際のガイドとして、ぜひお役立てください。
Supervisor監修者
2級FP技能士、AFP(日本FP協会認定)、貸金業務取扱主任者荒井 美亜
立教大学大学院経済学研究科卒業。
「ささいな疑問や悩みを拾い上げ、前に進む原動力に変える」ことを目標に、金融分野を中心にライター活動中。
日本FP協会の消費者向けイベントにも講師として登壇経験あり。
【引っ越しが決まったら】まずはスケジュールとやることリストを確認!
まず、初めて一人暮らしをするマンション・アパートの物件を契約したら、一人暮らしを開始するまでの全体的なスケジュールおよびそれぞれのステップでやるべきことを確認しましょう。
特に、2月〜4月は入学・入社の時期であり、一人暮らしに向けて準備をする人も多いので、不動産会社や引っ越し会社も混雑しがちです。
いい物件が残っていない、引っ越しの手配ができないなどのトラブルが起きる可能性も考えられるため、なるべく早めに行動しましょう。
以下の表に、一人暮らし前後のスケジュールとやるべきことをまとめました。
スケジュール | やるべきこと |
一人暮らしが決まり次第早めに | ・引っ越し資金を準備する |
引っ越し1~2ヵ月前 | ・住みたい部屋の条件を決める ・不動産会社に問い合わせをする ・気になる物件の内覧をする ・部屋の契約をする |
引っ越し1ヵ月前 | ・電気、ガス、インターネットの契約をする ・実家から持ち出すものを選別する ・生活するために必要な家具等を買う ・引っ越し会社に見積もりを取り、予約をする ・荷造りを始める |
引っ越し1週間前 | ・荷造りの大半を終わらせる ・粗大ごみの処分が必要なら準備する |
引っ越し当日 | ・搬出、搬入の立ち合いをする ・搬入が終わったら荷解きをする ・ガスの開栓作業の立ち会いをする ・電気、水道が問題なく使えるかを確認する ・近所へのあいさつ回りをする |
引っ越し後早めに | ・段ボールなどの梱包材を処分する ・新居周辺の病院、交番、避難所、スーパー、コンビニなどを確認する ・住所変更等の各種手続きをする |
初めての一人暮らしでかかる家具や家電、雑貨類費用の目安
初めての一人暮らしをする際の費用は、最初に何をどれだけ揃えるかによっても異なります。ここでは、家賃や敷金・礼金以外で最初にかかる費用について、大まかな目安をまとめました。
大分類 | 小分類 |
家具 | ・ベッドと布団(3~4万円) ・テーブル・イス(1~2万円) ・収納ケース(5,000円~1万円) |
家電 | ・冷蔵庫(2~3万円) ・洗濯機(2~3万円) ・テレビ(2~3万円) ・掃除機(1~2万円) ・炊飯器(1万~1万5,000円) ・電子レンジ(1万円) ・部屋の照明(5,000円~1万円) |
雑貨類 | ・カーテン(5,000円) ・片手鍋、フライパン、包丁、まな板などの調理器具一式(5,000円) ・食器類(2,000円) ・掃除用品(1,000円) ・浴室や洗濯用品(1,000円~2,000円) |
また、自宅でインターネットを使いたい場合、光回線の契約や工事の実施、ホームルーター、ポケットWi-Fiの準備が必要です。一般的に設置費用は商品によって異なることに注意しながら、その分の費用も見込んでおきましょう。
初めての一人暮らしを始める住まい選びのチェック項目5つ
一人暮らしを始めるにあたって、欠かせないのが住まいです。あまり深く考えずに住まいを選んでしまい、住みづらさから早いうちに引っ越しを余儀なくされることがないよう、以下のポイントに気を付けて慎重に選びましょう。
①住みたい場所の家賃相場と通勤・通学時間を調べる
最初に、一人暮らしの際に住みたい場所の家賃相場と通勤・通学時間を調べましょう。通勤・通学時間は短いに越したことはありませんが、目的地が都心部にある場合、家賃との兼ね合いである程度の時間はかかることを覚悟しなくてはいけません。
とはいえ、肉体的・精神的な負担を考えると、ドア・ツー・ドアで1時間以内に納められることが理想でしょう。家賃の限度額と通勤・通学時間の許容範囲をもとに、住まいにしたい場所をリストアップしましょう。
家賃は収入の3割までに抑える
家賃は手取り収入の3割までに抑えるのが理想的です。例えば、手取り収入が20万円の場合、家賃は6万円程度までに抑えましょう。通勤・通学に便利な場所で予算オーバーになりそうなら、以下のような家賃を抑えるための工夫を検討してみてください。
- 築年数がある程度古い物件を選ぶ
- 各駅停車しか止まらない駅が最寄り駅の物件を選ぶ
- シェアハウスやルームシェアを検討する
②最上階や日当たりが良すぎる部屋は避ける
最上階や日当たりが良すぎる部屋は避けましょう。日当たりや風通しが良すぎると外気の影響を受けやすいため、夏は暑く、冬は寒くなりやすいです。室温の管理が難しく、快適に過ごせないこともあるため慎重に選びましょう。
③共用部の掃除が行き届いているかを確認する
エレベーターホールや郵便受けなど「自分が借りる部屋(居室)以外」の共用部の掃除や手入れが行き届いているかも確認しましょう。共用部の掃除や手入れが行き届かず汚れている場合、管理会社の管理の質や住民のモラルに問題がある可能性も否定できません。
④防犯対策が徹底されているか確認する
初めての一人暮らしでも安心して生活できるよう、防犯対策が徹底されているかも確認しましょう。オートロックの設備や防犯カメラの設置といった、基礎的な防犯対策がないアパート・マンションは選ばないほうが無難です。
また、入居時に鍵を交換していないアパート・マンションも避けましょう。「ドアスコープはマグネットなどでふさいでおく」など、自分でできる防犯対策を併用するとより効果的です。
⑤物件を選ぶときは周辺環境も確認する
物件を選ぶ際は、事前に周辺環境も確認しましょう。スーパーやコンビニ、医療機関など生活に欠かせない施設が近くにあるかどうかは、暮らしやすさに大きく影響するため非常に重要なポイントです。
また、特に女性の一人暮らしの場合は周辺の治安に問題がないかも確認しましょう。夕方から夜にかけて二人以上で下見をし、最寄り駅から物件までの動線に街灯が極端に暗い場所がないかどうか、不審な人物がいないかどうかなど、あらかじめ確認しておくと安心です。
初めての一人暮らしの住まいが決まってからやるべき4つのこと
初めての一人暮らしの住まいが決まったら、やるべきことはたくさんあります。なかでも以下の4つは必ず済ませないといけないので、忘れずに取り組みましょう。
①自治体に転居届または転出届を提出する
実家など一人暮らしをする前に住んでいた市区町村には転出届を、初めての一人暮らしで住むことになる市区町村には転入届を出しましょう。それぞれの提出先と提出期限をまとめました。
提出先 | 提出期限 | |
転出届 | 旧居の市町村役場 | 引っ越し予定日の14日前から当日まで |
転入届 | 新居の市町村役場 | 引っ越し当日から14日以内 |
ちなみに、同じ市区町村内での引っ越しになる場合は、転出届ではなく転居届を出すことになります。引っ越し当日から14日以内に指定の市町村役場への提出が必要です。
②郵便局に転居届を提出する
郵便局にも転居届を出しましょう。郵便局の窓口やポストへの投函、オンラインでの手続きにより提出が可能です。転居届を出すと、旧住所に届いた郵便物を届出日から1年間、新しい住所に転送してくれます。
1年間経過すると差出人に郵便物等は返還されますが、再度転居届を出せば更新可能です。
③電気やガス、水道の利用を申込む
初めての一人暮らしで使用する電気やガス、水道を利用するための申込みも、引っ越し日のめどが立ち次第早めに進めましょう。電気や水道の場合、電気会社や地域の水道局に申込むだけで問題なく、立ち会いでの手続きは必要ありません。
しかし、ガスの場合は開栓に立ち会いが必要です。安全上の理由から専門の資格保有者が作業を進め、説明しなくてはいけない決まりになっています。どうしても当日に本人が立ち会えない場合は、家族や知り合い、大家さんなどに代理人をお願いしましょう。
④必要な家具や家電製品をリストアップする
①~③の手続きが終わったら、初めての一人暮らしで必要な家具や家電製品をリストアップしましょう。家具や家電製品のサイズによっては、部屋に搬入できないこともあります。大型の家具や家電を買いたい場合は、事前に廊下・天井・ドアの幅や高さなどを測り、相談する際に活用しましょう。
初めての一人暮らしで引っ越すときに意識したい5つのポイント
一人暮らしをする人の引っ越し代金は決して安いものではありませんが、工夫次第で節約が可能です。節約したい人に向けて、意識すべきポイントをまとめました。
①引っ越し日は繁忙期や土日祝日を避ける
引っ越し会社に依頼する場合は、繁忙期や土日祝日は避けましょう。引っ越し会社の繁忙期は一般的に3~4月、9~10月といわれています。また、土日祝日は会社・学校が休みの間に進めたいという人からの需要が高いことから、料金もかさみがちです。
可能な範囲で構わないので、できるだけ平日や閑散期に引っ越しができるよう、スケジュールを検討してみてください。
②引っ越し業者に値引き交渉をする
複数の引っ越し会社から見積もりを取り、値引き交渉をするのも費用の節約に役立ちます。ただし、こちらも日程は繁忙期や土日祝日以外にしておくのが重要です。
前述したとおり、一般的に繁忙期や土日祝日は人気のある日程のため、最初から値引き交渉にも応じてもらえない可能性が高くなります。引っ越し日を平日や閑散期に設定したうえで、見積もり金額からもう少し安くできないか交渉してみましょう。
③荷造りは自分で済ます
荷物が少ない場合、荷造りはなるべく自分で済ませましょう。引っ越し会社によっては荷造り代行プランもありますが、人件費がかかる分割高になります。
万が一引っ越しまでに荷造りが間に合わない可能性がある場合は、友人や家族に手伝ってもらうのも一つの手です。
④宅配便も併用して荷物を送る
一人暮らしですぐに使う予定がない荷物は、一度実家に置いてもらい、落ち着いたタイミングを見て宅急便で送ってもらいましょう。引っ越しの際に搬出・搬入する荷物が少なくなれば、その分費用も安くなります。
⑤家電製品・家具は引っ越し先で調達する
一人暮らしで使用する家電製品・家具は引っ越し先で準備しましょう。実家から運ぼうとすると、その分の費用がかかります。先述したように大型の家電製品・家具の場合、サイズ次第では搬入・設置できないこともあるため、それを防止する意味でも重要です。
初めての一人暮らしを快適にするためにあらかじめ意識したい3つのポイント
初めての一人暮らしを快適にするためには、以下のポイントも意識しましょう。
①実家にいる間に簡単な家事はできるようにしておく
初めて一人暮らしをするにあたり、実家にいる間に簡単な家事はできるようにしておきましょう。実家では家族がやってくれていたことでも、一人暮らしを始めたらすべて自分で行うことになるので、予行演習が必要です。
特に、洗濯や掃除など、生活するうえで欠かせない家事は引っ越しまでに一人でできるようにしておくと安心です。
②引っ越したらすぐに防虫・カビ対策をしておく
引っ越したらすぐに室内の防虫・防カビ対策をしておきましょう。ドラッグストアやホームセンターなどで防虫・防カビ用のグッズが販売されているので、引越し後できるだけすぐに対策しておくと安心です。
③トラブルが起きたらすぐに管理会社に連絡する
「部屋のトイレが詰まった」「隣がうるさくて夜も眠れない」など、トラブルが発生したらすぐに管理会社に連絡しましょう。特に初めての一人暮らしで慣れていないうちは、自分で解決しようとしても、かえって逆効果になります。
管理会社の連絡先はスマホに登録するなどして、すぐにわかるようにしておくのをおすすめします。
【一人暮らしが始まったら】意識したいお金のやりくりのコツ2つ
初めての一人暮らしが始まったら、お金のやりくりも自分でしなくてはいけません。最後に、お金のやりくりにおいて最低限意識すべきポイントをまとめました。
①まずは赤字にならないことを目標にする
初めての一人暮らしが始まったら、まずは赤字にならないことを目標にしましょう。一人暮らしの開始当初は何かと物入りになるため、一時的な赤字もやむ得ないかもしれません。ただし、常態化してしまうと、貯金を切り崩したり、借金をしたりなどの悪影響も出てきます。
スマホアプリを使うなど簡単な形で良いので家計簿をつけ、自分が何にお金を使いすぎているかを把握し、少しずつ支出の見直しをしていきましょう。
②余裕がでてきたら毎月少しずつでも先取り貯金や資産運用をする
初めての一人暮らしに余裕が出てきたら、毎月少しずつでも良いので先取り貯金や資産運用に回しましょう。例えばNISAなら、毎月1,000円からでも始めることが可能です。
初めての方向けに、資産運用の種類は以下の記事で詳しく解説しています。気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
まとめ
初めての一人暮らしは、慣れないことが多く戸惑いの連続かもしれません。しかし、自分で考えて動くことになるので、人として成長するチャンスともいえます。初めてでもあまり気負い過ぎず、まずは楽しむつもりで前向きにチャレンジしてみましょう。
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