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失業保険(失業手当)とは?給付の条件や受給される期間、手続きの方法などを解説

失業保険(失業手当)とは?給付の条件や受給される期間、手続きの方法などを解説

失業保険とは、仕事を辞めた人のその後の生活をサポートするために支給される制度です。失業保険の受取には一定の条件があり、誰でも受け取れるわけではありません。 本記事では、失業保険の基本からよくある質問まで、失業保険の詳細を解説していきます。

2025年2月27日 ためる・ふやす・そなえる

失業保険とは

失業保険について説明する男性

失業保険(失業手当)は、雇用されていた人が退職してからの一定期間、途絶えた収入を補うために支給されるお金です。受給にはさまざまな条件があり、もらえる期間や金額も明確に定められています。失業保険に関する正しい知識がないと、失業保険そのものを受け取れなくなってしまう可能性もあります。

ここでは、失業保険の基本的な部分を詳しく解説します。

失業保険がもらえる条件

失業保険は正式名称を「雇用保険」といい、雇用されていた労働者が退職した後、一定期間の生活費をカバーするための給付制度です。

失業保険を受け取るためには、まず退職前の2年間に通算して12ヵ月以上の雇用保険への加入実績が必要です。自己都合で退職した場合、失業状態であること、つまり就職活動を行う意思と能力があると認められることも条件に含まれます。

会社都合の退職では、退職前の1年間に通算して6ヵ月以上雇用保険の加入実績が条件です。また会社都合の場合は条件が緩和され、早めに失業保険を受け取ることもできます。

失業保険をもらえる期間

失業保険の給付期間は、退職理由や勤続年数、年齢によって異なります。たとえば、自己都合退職の場合は最長で150日、会社都合退職の場合は最長330日と決められています。一般的には、勤続年数が長いほど給付日数が多くなる仕組みです。60歳以上の高齢者や、特定の理由で離職した場合には、特例措置が適用されることがあります。

給付期間が長ければその分じっくり転職活動や勉強に取り組んだり、治療に専念したりすることが可能です。退職後の生計を立てるには、自分がどれくらいの期間失業保険を受け取り続けられるのか、期間を正確に把握しておくことが大切です。

失業保険の金額

失業保険の金額は、退職前6ヵ月間の平均賃金を基に計算されます。賃金日額をもとにして、約50~80%程度の基本手当日額が支給されます。この割合は年齢などに応じて変動し、2025年1月現在、基本手当日額の上限は6,945~7,294円となっています。また、基本手当日額の下限は、年齢に関係なく2,196円です。

基本手当日額の金額は定期的に見直されているので、自身が失業保険を受けるタイミングでいくらもらえるのかを確認しておきましょう。ただし、賃金が高い人ほど支給割合は低くなる仕組みがあり、逆に賃金が低い人ほど支給割合が高く設定されています。

参考:厚生労働省「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ」

失業保険をもらうための手続き

失業保険の手続きをする男性

失業保険を受け取るためには、手続きをする必要があります。会社を辞めたからといって自動的に失業保険を受け取れるわけではありませんので、事前に手続き方法を確認しておきましょう。

1.必要書類を用意する

失業保険を受給するには、いくつかの書類を準備する必要があります。

具体的には、以下のものが必要です。

必要な書類の例

会社から発行される離職票

雇用保険被保険者証

本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)

銀行口座の通帳またはキャッシュカード など

必要な書類を準備し、ハローワークに提出することでスムーズに手続きを進められます。離職票の発行には時間がかかる場合もあるため、退職後すぐに会社へ発行してもらうことが大切です。その間にほかの必要書類を用意しておけば、離職票が届き次第すぐに手続きができるでしょう。

2.ハローワークで相談する

必要書類を揃えたら、最寄りのハローワークで失業保険の申請をおこないます。

ハローワークでは、まず求職の申し込みをして、失業の状態であることを認定してもらう必要があります。窓口では、失業保険の仕組みや今後の手続きの流れについて説明を受けます。さらに、相談員との面談を通じて、求職活動の方向性を一緒に考えることもあります。

失業保険は会社を辞めたら誰でももらえるものではなく、求職の意思があることを示さなければならないという点に注意しましょう。

3.雇用保険受給者初回説明会に参加する

失業保険を受給するためには、雇用保険受給者初回説明会への参加が義務付けられています。 雇用保険受給者初回説明会では、失業保険の仕組みや受給条件、給付期間中に守るべきルールについて詳しく説明されます。

また、求職活動をどのように進めていくべきか、具体的なアドバイスをしてもらえることもあります。説明会への参加は必須であり、これを怠ると失業保険の給付が遅れる可能性がある点に注意しましょう。

4.転職活動を行う

失業保険を受け取る条件の一つに、積極的な求職活動をおこなうことが含まれます。求職活動には、求人への応募や面接への参加だけでなく、職業訓練の受講や就職セミナーへの参加も含まれます。ハローワークでは求人情報の提供や履歴書の書き方指導など、さまざまな支援を受けることができるため、積極的に活用しましょう。

また、失業認定日には求職状況などをハローワークに報告しなければならないため、求職活動の記録を残し、失業認定日に提出することも忘れないようにしましょう。

5.失業保険の給付が開始される

失業保険の給付は、待機期間後の7日目から支給されます。自己都合退職の場合には、2ヵ月間の給付制限期間が設けられています。2025年4月からこの給付制限期間が1ヵ月に短縮されます。

また、支給開始日にすぐ振り込まれるのではなく、5営業日程度の期間があります。この期間中は失業保険を受け取ることができないため、退職後の資金計画を立てる際には注意が必要です。

なお、2025年4月からは、自己都合の退職であっても教育訓練を受講することで、給付制限期間が解除されるという変更点もあります。

スキルを身に着ければ転職も有利に進められるため、教育訓練の受講も検討してみましょう。

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失業保険のメリットとは

笑顔の女性

失業保険を受け取るメリットを紹介します。

落ち着いて転職活動ができる

失業保険の大きなメリットは、経済的な支援を受けることで、焦らずに転職活動に専念できることです。自己都合で退職し、次の職場を慎重に選びたい人にとって、生活費をサポートしてくれる失業保険は大きな助けとなります。無収入の状態では急いで就職先を決める可能性が高くなり、結果的にミスマッチが起きやすくなります。

失業保険があれば、生活費の心配を減らし、自分に合った仕事をじっくり探す時間を確保できるでしょう。

勉強や資格取得の時間ができる

失業保険を受けながら、勉強や資格取得に時間を割けるのも大きなメリットです。ハローワークでは、職業訓練の受講費用が免除される制度や、資格取得を支援するプログラムも用意されています。これを利用すれば、スキルアップやキャリアチェンジを目指すことができます。

たとえば、介護やITスキルの資格を取得すれば、新たな業界での活躍も視野に入れられます。長期的なキャリア設計のためにも、失業期間を有効活用しましょう。

療養などに集中できる

退職理由が健康上の問題である場合、失業保険が生活を支えることで、安心して療養に専念することができます。心身の回復が必要な時期には、経済的な不安を軽減することが大切です。

また、健康を取り戻すまでの期間に、新しい働き方や適職を見つける準備をする余裕も生まれるでしょう。

失業保険のデメリットとは

頭を抱える男性

失業保険の受給には、デメリットもあります。どのような点に注意すべきかを解説します。

給付期間中に再就職すると手当を受け取れない

失業保険には、給付期間中に再就職するとその時点で手当の受給が終了する仕組みがあります。再就職が早いと、予定していた給付日数分を受け取れないという点は大きなデメリットです。ただし、「再就職手当」という形で、一部の金額が支給される制度もあります。

再就職手当は早期就職を促進するための仕組みですが、給付総額が減るデメリットを理解したうえで就職活動を進める必要があります。

ハローワークに足を運ぶ必要がある

失業保険を受給するには、定期的にハローワークへ出向き、失業認定を受ける必要があります。ハローワークでは、一定期間内にきちんと求職活動をおこなったことを報告しなければなりません。

しかし、仕事探しが忙しい場合や、遠方に住んでいる場合には、この手続きが負担になるというデメリットがあります。病気やけがの治療をしたい方にとっても、定期的にハローワークに通わなければならないのはデメリットといえるでしょう。

オンライン化が進んでいるものの直接訪問が必要なケースも多いため、スケジュール管理を徹底しなければなりません。

失業保険のよくある質問

お金と計算機

失業保険の受取手続きを進める前に確認しておきたい、よくある質問をまとめました。

給付期間中アルバイトはできる?

失業保険を受給中にアルバイトをすることは可能ですが、一定の条件があります。アルバイトをする場合、労働時間や収入によっては「失業の状態」とみなされず、手当が一時的に停止されることがあります。一般的には、1週間の労働時間が20時間未満で、収入が一定額以下であれば問題ありません。

ただし、アルバイトをすることを事前にハローワークに申告しなければ、失業保険の不正受給と判断される場合があるため、注意が必要です。

手続きからどれくらいで振り込まれる?

失業保険の手続きが完了してから最初の振り込みまでには、通常4週間程度かかります。これは、申請手続きや失業認定に必要な期間が含まれるためです。

ただし、自己都合退職の場合は給付制限期間があるため、実際の給付開始はさらに遅れます。会社都合退職では比較的早く振り込まれることが多いです。

失業保険の手続きが遅れると給付開始も遅れるため、迅速に手続きに進むことが大切です。

どんなパターンが不正受給に該当する?

失業保険の不正受給とは、虚偽の申告や隠ぺいによって不正に失業保険を受け取る行為を指します。たとえば、アルバイト収入を申告せずに受給したり、再就職したにもかかわらず失業状態を装った場合が該当します。不正受給が発覚した場合、受給額の返還だけでなく、追加のペナルティが科されることがあります。

正確な申告をおこない、ルールを守っていれば、不正受給としてペナルティを受ける心配はありません。

まとめ

失業保険でもらえる金額を計算する人

失業保険とは、退職後の生活を支える大切な制度です。経済的な心配を解消する助けをしてくれる一方で、受給には手続きやルールがあります。失業保険の条件や手続きを正確に理解し、自分の状況に合わせて正しい手続き方法や受給期間、給付金額を把握することが大切です。

失業保険の受給期間中は転職活動や資格取得、療養に時間を活用しながら、再就職への準備を進めましょう。失業保険制度を上手に活用することで、退職後の新たなスタートをよりスムーズに切ることができます。

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