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NISAの改正は【2024年】から!新制度の変更点を分かりやすく解説

NISAの改正は【2024年】から!新制度の変更点を分かりやすく解説

2024年に実施されるNISAの改正内容や、いつから改正されるのか正しく把握できていない方もいるのではないでしょうか。本記事では、2024年に開始する新制度の改正ポイントをわかりやすく解説します。改正後の現行NISAの取り扱いについても紹介するので参考にしてみてください。

2024年1月17日 ためる・ふやす・そなえる

Supervisor監修者

苛原 寛

1級FP技能士
苛原 寛

大学卒業後、東京海上日動火災保険株式会社に就職。法人営業部で保険提案を3年間行ったのちに独立。現在はフリーランスとして、お金に関するWeb記事の執筆や個人のライフプランニング作成、実行支援を行っている。

※当記事で解説する情報は2023年4月時点のものとなり、今後内容が変更される可能性がございます

NISAの改正は2024年から

昨今話題になっているNISAの改正は、いつからおこなわれるのでしょうか?

改正は、2024年に施行予定です。改正後の新制度では、現行の一般NISAやつみたてNISAの内容が拡大され、さらに使いやすい制度となります。

NISAの改正前と改正後の比較表

では、改正後の新制度は現行の一般NISAやつみたてNISAと比較して、具体的に何が変わるのでしょうか?改正前と改正後の比較表は以下のとおりです。

改正前と改正後の比較表

改正前(つみたてNISA)

改正前(一般NISA)

改正後

制度併用可否

不可

不可

可能

年間投資枠

40万円

120万円

360万円(つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円)

非課税保有期間

20年間

5年間

無期限

非課税枠

800万円

600万円

1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで)

制度の有効期限

〜2042年末

〜2023年末

2024年より恒久化

投資対象商品

長期の積立・分散投資に適した投資信託

上場株式・投資信託など

つみたて投資枠は長期の積立・分散投資に適した投資信託

成長投資枠は上場株式・投資信託など(一部条件あり)

※上記は2023年4月時点での情報です。

改正後の新制度は、つみたてNISAや一般NISAが見直されてさらに使いやすい制度となっています。

特に、「投資できる資金を多く保有する人」や「短期間に売買を繰り返す人」にとって、新制度での改正内容は魅力的です。

新しいNISAの改正ポイント

2024年から始まる新制度の改正ポイント6つを解説します。

「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の併用が可能

一般NISAとつみたてNISAは、いずれかを選択する必要がありました。そのため、一般NISAを始めるか、つみたてNISAを始めるかで迷った方もいるかもしれません。しかし、2024年の改正以降は、一般NISAとつみたてNISAの選択で迷うことはなくなります。

また、改正後の新制度ではつみたてNISAが「つみたて投資枠」に、一般NISAが「成長投資枠」に名称を変更します。NISA口座を一つ開設すれば、つみたて投資枠と成長投資枠のどちらでも投資ができます。

しかし、改正後の新制度において、口座を開設できる金融機関は一社のみです。つみたて投資枠と成長投資枠で別々に金融機関を選べるわけではないので、注意が必要です。

年間投資枠が最大360万円に拡大

改正前の制度では、つみたてNISAは年間40万円、一般NISAは年間120万円までしか投資ができません。

しかし、改正後の新制度では年間360万円まで投資が可能です。年間360万円の内訳は、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠は年間240万円となっています。

より多くの資金で投資をおこないたい方にとって、年間投資枠の拡大は大きなメリットでしょう。

非課税保有期間が無期限化

改正後の新制度は、非課税保有期間が無期限となります(現行の制度では一般NISAが5年間、つみたてNISAが20年間)。そのため、効率良く長期投資をおこなえます。

例えば、課税口座と改正後のNISA口座で100万円の投資商品を年利3%で運用した場合、発生する税金の違いは以下のとおりです。利益に対してかかる税金は税率20%で計算するものとします。

税金シミュレーション(100万円の投資商品を年利3%で運用)

5年目

10年目

15年目

20年目

25年目

30年目

資産評価額

116万円

135万円

157万円

182万円

212万円

246万円

利益部分

16万円

35万円

57万円

82万円

112万円

146万円

売却した際に発生する税金

(課税口座で運用した場合)

約〇万円

約〇万円

約〇万円

約〇万円

約〇万円

約〇万円

売却した際に発生する税金

(改正後のNISA口座で運用した場合)

0円

0円

0円

0円

0円

0円

改正後のNISA口座では税金が発生しませんが、課税口座では資産評価額が上がるごとに税金も増えます。30年後には税金の差は約29万円にもなるため、新制度で非課税保有期間が無期限になることのメリットは大きいといえるでしょう。

最大1,800万円の非課税保有限度額が新設

改正後の新制度では、1,800万円の非課税枠が設けられます。年間360万円まで投資は可能ですが、毎年360万円を5年間投資し続けると、1,800万円の非課税枠に達するため新規の投資ができません。

ただし、1,800万円の非課税枠は保有投資商品を売却することで再利用が可能です。例えば、非課税枠が1,800万円に達した人が200万円分(取得価格ベース)の投資商品を売却すれば、新たに200万円分の投資商品を購入できます。

非課税枠再利用のイメージは以下のとおりです。

非課税枠再利用のイメージ

2024年

2025年

2026年

2027年

2028年

2029年

2030年

2031年

2032年

・・・

年間投資額(最大360万円)

360万円

360万円

360万円

360万円

360万円

100万円

300万円

年間投資商品売却額(取得価格ベース)

400万円

500万円

100万円

利用できる非課税枠(年終了時点)

1,440万円

1,080万円

720万円

360万円

0円

400万円

300万円

800万円

600万円

2024年から、年間投資枠の上限である毎年360万円の投資をすると、5年後の2028年に非課税枠1,800万円を使い終えます。ただし、2029年に400万円分(取得価格ベース)の投資商品を売却すれば、新たに400万円分の投資商品を購入可能です。

このように、投資商品を売却すれば翌年には再度非課税枠ができるため、短期間で投資をしたい人にとっても改正後の新制度は使いやすい制度となっています。

制度が恒久化

改正後の新制度は、制度自体が恒久化されます。これまでのつみたてNISAや一般NISAは制度自体に期限があり、期限が延長されるかどうかが利用者にとって着目点でした。しかし、恒久化によって新制度は原則途中で制度が廃止されることがなくなり、より長期的な運用が可能となります。

投資対象商品が一部変更

つみたて投資枠での投資対象商品は、つみたてNISAから大きな変更はありません。

一方で、成長投資枠は一般NISAよりも投資対象商品が少なくなります。改正後の新制度における投資対象商品は以下のとおりです。

改正後のNISAにおける投資対象商品
  • つみたて投資枠:長期の積立・分散投資に適した投資信託(つみたてNISAの対象商品と同様)
  • 成長投資枠:上場株式・投資信託など(「整理・監理銘柄」・「信託期間20年未満」・「高レバレッジ型および毎月分配型の投資信託」を除外)

改正後の新制度における成長投資枠では、リスクが高く長期投資に向いていないと金融庁が判断した投資商品は対象から除外されます。そのため、一般NISAと比べて投資対象商品は大きく減る見込みです。

安定的な資産運用を目指す方や投資初心者にとっては、投資対象商品を金融庁が事前に選別してくれることはメリットですが、より多くの投資対象から商品を選びたい人にとっては投資商品の見直しはデメリットといえるでしょう。

NISA改正後、現行NISAはどうなる?

2024年の制度改正後は、一般NISAとつみたてNISA口座での新規投資はできません。そのため、2023年が一般NISAとつみたてNISA口座で投資ができる最後の年となります。2023年に投資した商品における非課税期間の期限は以下のとおりです。

2023年に投資した商品における非課税期間の期限
  • 一般NISA:2027年
  • つみたてNISA:2042年

非課税期間終了後の選択肢は以下の2つです。

非課税期間終了後の選択肢
  • 売却する
  • 課税口座に移す

課税口座に移す場合、課税口座移管時の時価が取得価格となります。例えば、NISA口座で購入した取得価格100万円の投資商品を、150万円に値上がりしたタイミングで課税口座に移した場合、取得価格は150万円です。

仮に、課税口座移管後に200万円へ値上がりした場合は、利益50万円(200万円ー150万円)に対して税金がかかります。最初の取得価額100万円と、値上がり後の200万円の差額である100万円に対して税金が発生するわけではありません。

また、一般NISAは5年間の非課税期間終了後に新たな非課税枠へ投資商品を移管できる「ロールオーバー」という制度があります。しかし、NISA改正後にロールオーバーはできないのでご注意ください。

まとめ

NISAの改正は2024年におこなわれます。一般NISAやつみたてNISAが見直しされ、より良い変更が目白押しです。上手に活用し、着実な資産形成につなげていきましょう。

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