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家庭でできるフードロス対策7つ!環境問題と向き合いエコな暮らしを目指そう

家庭でできるフードロス対策7つ!環境問題と向き合いエコな暮らしを目指そう

近年「フードロス」が問題となっていることをご存知ですか。食べ残しや売れ残りなどさまざまな原因で食品が廃棄されており、社会全体での解決が求められています。本記事では、家庭でできるフードロス対策をご紹介します。フードロスについて理解を深め、できることからチャレンジしてみましょう。

2024年5月24日 くらす

フードロス(食品ロス)とは?

残飯をゴミ箱に捨てるイメージ

まだ食べられる食品が捨てられてしまうことを「フードロス(食品ロス)」といいます。フードロスは社会全体において対策が求められている問題です。

SDGsで掲げている17の目標のうちの12番目にも「つくる責任、つかう責任」があり、世界的なフードロスについて問題提起をしています。フードロスを減らすことは、持続可能な社会の実現につながるというわけです。

参照:日本ユニセフ協会「つくる責任、つかう責任」

フードロスが引き起こす問題

フードロスの対策を考えるにあたって、まずはフードロスがどのような問題を引き起こすのか理解しておきましょう。フードロスが引き起こす問題としては、次のようなものが挙げられます。

フードロスの問題
  • ごみとして廃棄する際にコストがかかる
  • 可燃ごみとして焼却される際にCO2が排出されるため、環境負荷が大きい
  • 生産者の手間を無駄にしてしまう
  • 先進国では食品ロスが発生する一方、途上国では飢餓が発生している

食品が捨てられている一方で、世界には食品を必要としている人もたくさんいます。

また、食品を捨ててしまうことはもったいないだけではなく、私たちの住む環境にもダメージを与えています。食品を無駄なく消費し、フードロスを減らす対策を知ることが大切です。

日本で起きているフードロスの現状

農林水産省の推計によると、日本においてまだ食べられるのに捨てられている食品の量は、年間523万トン(令和3年度推計)です。つまり、国民一人当たりでお茶碗軽く一杯分のごはんを毎日捨てている計算になります。

日本では食品関連の事業者と連携し、さまざまなフードロス対策が進められています。

フードロスを減らすために、家庭でできる対策もあります。私たち一人一人が食品を無駄にしないよう意識して、できそうな対策から取り組んでいくことが大切です。

参照:農林水産省「最新の食品ロス量は523万トン、事業系では279万トンに」

フードロスが発生してしまう原因

ゴミ箱に生ゴミが詰められているイメージ

そもそもなぜ無駄になってしまう食品が多いのか、疑問に思う人もいるでしょう。フードロスには事業活動に伴って発生するものと、各家庭で発生するものの2種類があります。フードロス対策のためには、どちらの原因も解決しなければなりません。

フードロスの主な発生原因としては、以下のようなものがあります。

食品の買いすぎ・作りすぎ

家庭におけるフードロス発生につながっている大きな原因の一つが、食品の買いすぎや作りすぎです。買ったものや調理したものを食べきれずに捨てると、フードロスになってしまいます。

たとえば、安売りをしていたのでつい買ったけれど、食べないまま消費期限・賞味期限切れで捨ててしまう、あるいは、調理した量が多すぎて食べきれないまま捨てる場合も、フードロスとなってしまいます。

また、防災のために備蓄している食品も、消費期限・賞味期限切れで廃棄してしまえばフードロスの原因につながります。

食べ残し

料理を作ったけれど、好みの味付けにならず食べ残してしまった、冷蔵庫で保管するうちに腐らせてしまった、という経験がある方もいるのではないでしょうか。こうした食べ残しも、フードロスの原因になります。

また、食べ残しは飲食店やレストランでも発生します。注文し過ぎて残した料理や、そもそも手をつけなかった付け合わせなどは廃棄せざるを得ません。消費者の食べ残しにより、事業者側で捨てられている食品も多いのが現状です。

規格外商品

家庭や飲食店だけではなく、生産や流通の過程で発生するフードロスも存在します。

事業者側のフードロスには、規格外商品として廃棄されているものがあります。規格外商品とは、製品としては問題がなくても見た目や重量が規格基準から外れている商品のことです。

規格外商品は問題なく食べられるのに、廃棄されるか店頭から撤去されることになります。

日本のフードロス対策の取り組み

食材が入っている段ボールと瓶を渡しているイメージ

フードロスは社会全体で解決していかなければならず、対策が必要な問題です。フードロス削減のために、国や自治体、企業が行っている対策をみてみましょう。

国や自治体が行っている対策

国は、フードロス対策のために「食品ロス削減推進法」を制定しました。食品ロス削減推進法は、令和元年10月から施行されています。その後令和2年3月には、食品ロス削減推進法に基づく基本方針が閣議決定され、食品関連事業者の役割や行動が示されました。

【参考】農林水産省:食品ロス削減基本方針の御紹介

消費者庁では、フードロス対策として「食品ロス削減推進サポーター制度」を設けています。フードロスの削減を担うサポーターを育成し、地域住民への周知や啓発の促進を図っています。

また、消費者庁では「食品ロス削減ガイドブック」も作成しており、インターネットからダウンロードが可能です。食品ロス削減ガイドブックでは、家庭でできるフードロス対策についても記載されているので、ぜひチェックしてみましょう。

【参考】消費者庁:食品ロス削減ガイドブック(令和5年度版)

食品ロス削減推進法では、都道府県や市町村に食品ロス削減推進計画策定の努力義務を課しています。全国の自治体では食品ロス削減推進計画の策定が進んでおり、独自の取り組みや対策をしている自治体も増えています。

自治体の食品ロス削減の取り組み・対策の例
  • 食品ロスゼロチャレンジ事業(愛媛県)
  • 食品ロスゼロ検定の実施(京都市)
  • 防災備蓄食品とフードバンクのマッチングシステム(東京都)
  • 事業系⾷品ロス削減マッチング サービスの開始(岡山県)
  • こどもモッタイナイ⼤作戦事業(浜松市)
  • 食品ロス削減カレンダーの配布(長崎県)
  • フードドライブ活動のための物品貸出(横浜市)

事業者が行っている対策

事業者側は、規格外商品の活用や食べ残し防止のためのフードロス削減の対策を行っています。具体的な取り組みや対策の例としては、以下の通りです。

事業者のフードロス削減の取り組み・対策の例
  • 容器包装の工夫による鮮度保持期限の延長
  • 返品・過剰在庫の削減
  • フードバンクへの寄贈
  • 規格外品を訳あり商品やアウトレット商品として販売
  • 廃棄されやすい部位を活用したメニューの開発
  • アプリを使ったフードシェアリングサービスの開発
  • レストランでの持ち帰りの推奨
  • 小分け販売・バラ売り・量り売りの促進
  • 季節商品の予約販売

フードロスを減らすために家庭でできる7つの対策

果物の皮がお皿に乗っているイメージ

ここからは、フードロスを減らすために家庭でできる対策を7つご紹介します。以下の内容を参考のうえ、できる対策から始めてみましょう。

①食材を買い過ぎない

食材を買い過ぎないよう、買い物に行く前に残っている食材をチェックしたり必要な食材をリストアップしたりするだけでも、フードロス対策になります。冷蔵庫の中身などをメモしておく方法もありますが、スマートフォンで写真に撮っておくと簡単です。

買い物をするときには、必要な分だけ買うことを意識しましょう。安くなっているとつい買いたくなるかもしれませんが、消費期限や賞味期限内に使い切れるかどうかをよく考えて買うことが、フードロス対策を行ううえで重要です。

②保存方法を工夫する

買ってきた食品は、適切に保存すれば鮮度が長持ちするためフードロス対策になります。

特に野菜などは、保存の際に少し手間をかけるだけで長く美味しく食べられます。買ってきたときに下処理して冷凍しておくと、使うときにも便利です。また、庭やベランダで野菜を乾燥させて干し野菜にし、保存性を高める対策もあります。

肉や魚も、すぐに使わない分は冷凍保存がおすすめです。買ってきたパックのまま冷凍すると、冷凍庫の幅をとるだけではなく酸化やドリップで美味しさが半減してしまいます。そのため、フリーザーバッグを使ったり1回分ずつ小分けにしたりしておき、調理の際に使いやすい状態で保存しましょう。

③食べきれる分だけ調理する

調理するときに食べきれる分量だけ作ることも、フードロス対策になります。たくさん食べたいと思うかもしれませんが、どんな料理でも一つのものだけを食べすぎるのは健康にもよくありません。家族のスケジュールも確認し、作った料理が余らないようにしましょう。

料理が余った場合にも、冷蔵や冷凍保存により翌日以降食べられることもあります。別のメニューにアレンジして、楽しみながらフードロス対策するのもおすすめです。

④調理技術を高める

食材を無駄にしないよう、調理技術を高めることもフードロス対策となります。たとえば、野菜は皮ごと食べられるものもあり、じゃがいもは皮ごと煮込むと煮崩れせず美味しく食べられます。にんじんや大根は、むいた皮をきんぴらにしてもよいでしょう。

魚は圧力鍋で煮ると骨までやわらかくなります。イワシやアジの骨を油で揚げた骨せんべいは、おつまみやおやつにピッタリです。いろいろなアイデアで、調理中に廃棄してしまう部分を減らしてフードロス対策しましょう。

⑤消費期限や賞味期限を確認する

購入した食材の消費期限や賞味期限をこまめに確認しましょう。期限が近づいているものはわかりやすい場所に置いておく、期限をメモしておくなどの工夫が必要です。

「消費期限」は生鮮食品に設定されていることが多く、必ず期日内に食べ切る必要があります。ただし「賞味期限」はおいしく食べられる期限のことなので、期限が過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではありません。賞味期限が過ぎたからといって簡単に捨てないこともフードロス対策として大切です。

防災用に備蓄している食品は、賞味期限が古いものから食べ新しいものを買い足す「ローリングストック」がおすすめです。期限切れでまとめて捨ててしまうことのないよう気を付けておくだけでもフードロス対策になります。

⑥積極的に訳あり商品を購入する

訳あり商品を購入すれば、フードロス対策になるだけでなく、食費の節約にもつながるでしょう。

訳あり商品とは、商品が不揃いのものや規格外のもの、輸送の過程でパッケージが破損したもの、賞味期限が近いものなどです。見た目は悪くても品質は変わらない場合がほとんどなため、店舗やインターネットでは訳あり商品が安く販売されています。

フードロス対策に加えて節約も目指すなら、訳あり商品を販売しているお店やWEBサイトをチェックしてみましょう。

食費を節約するコツについては、以下の記事もご参照ください。

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⑦食品の寄付やフードバンクを利用する

個人でできるフードロス対策として、食品の寄付活動に参加するのもおすすめです。主にNPO団体などが実施している「フードバンク活動」では、企業等から食品の寄付を受け付け、寄付された食品を困窮している人や福祉施設に届けています。

家庭で余っている食品を持ち寄り、まとめてフードバンク等に寄付する活動は「フードドライブ」と呼ばれます。食品をよく余らせてしまうという方は、お住まいの地域で活動を行っている団体があるか確認してみましょう。

まとめ

食事が入った箱と飲み物が並んでいるイメージ

フードロスは、貴重な食品資源を無駄にしているだけでなく環境にも負荷を与えている観点からも、積極的に解決すべき課題であると考えられています。

フードロスを減らすために国や企業、団体の取り組みが行われていますが、家庭でできる対策も数多くあります。今回ご紹介した7つのフードロス対策を参考に、各ご家庭でできることを考えてみましょう。

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