1000万円を運用するおすすめの方法は?メリットや注意点をわかりやすく解説
1000万円の預貯金があるのなら、資産運用を始めて効率的に増やすのがおすすめです。ただし、どんな資産運用方法にもよい面と悪い面があるため、比較し検討することが重要です。本記事では、メジャーな1000万円の資産運用方法についてメリットやデメリット、注意点などを解説します。
1000万円を運用するメリット
1000万円を資産運用すれば、効率的に資産を増やせる可能性があります。仮に平均利回り3.0%で10年間運用できた場合、10年後には約1,344万円まで増える計算になります。
また、資産運用はインフレ対策としても有効です。インフレが起きると現金の価値は目減りし、相対的にモノやサービスの価値(物価)が上がります。つまり、資産運用で1000万円を金融商品に投資しておけば、インフレで現金の価値が下がっても持っている金融商品の価値が上がることで、そこまでインフレの影響を受けない可能性が高いのがメリットの一つといえるでしょう。
また、将来受給できる年金だけでは生活費が足りない場合も、1000万円の運用で増やした資産を取り崩していくことで、生活費に充てられるというメリットもあります。
1000万円あれば比較的運用方法の選択肢は多い
生活防衛資金として、3ヶ月から1年分の貯金を確保しておくことが前提ですが、そこを除いても1000万円の預金があるなら、資産運用する価値は大いにあります。また、1000万円もあれば、株式投資から不動産投資まで比較的多くの選択肢から資産運用の方法を選べます。
それぞれのメリットや注意点を把握し、自分に合った運用方法を選びましょう。
1000万円でできる運用方法6選
ここからは、1000万円でできるおすすめの運用方法を6つご紹介します。メリットやデメリット、運用する上でのアドバイスまで解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
①株式投資
株式投資は、企業が発行する株式を購入し配当金や値上がり時の売却による利益を得る資産運用方法です。
メリット
株式は取引時間中であれば好きなタイミングで売買が可能です。また、PTS(私設取引システム)といって、証券取引所を介さずに株式を売買できるシステムを設けている証券会社もあります。
PTSがある証券会社では夜間の取引も可能なので、日中は仕事で忙しい方でも退勤後にじっくり株式投資に取り組めます。加えて、売買差益や配当金などの経済的利益を得られるだけでなく、株主優待を使ってお得に商品やサービスを受けられることもメリットの一つです。
デメリット
株式は、その会社や取引先の業績悪化や倒産、世界各国での政変や紛争、災害などさまざまな理由で価値が乱高下します。
そのため、プロであっても常に利益を出し続けるのは難しく、ある程度の専門的な知識だけでなく情報収集力もないと続けられない資産運用方法です。
運用する上でのアドバイス
株式投資のリスクは決して低くはないので、1000万円を運用する際は投資信託など比較的ローリスク・ローリターンな他の投資と組み合わせましょう。
現在は100円程度から株式を購入できるサービスもあるため、本格的に始める前に勉強がてら試してみるのもおすすめです。
また、NISAの「成長投資枠」なら一定の範囲内であれば売却益や配当にかかる税金がゼロになるので、併せて検討しましょう。
1000万円でできる運用方法②投資信託
投資信託とは、投資家から集めたお金を一つにまとめ、運用のプロが株式や債券などに投資・運用し、得た成果を投資額に応じて投資家に分配する金融商品です。
メリット
投資信託は、いわばプロに運用を代わってもらう商品であるため、専門的な知識がなくても資産運用を始められます。また、種類の異なる投資信託を組み合わせて購入すれば、リスク分散もある程度可能です。
デメリット
投資信託で1000万円を資産運用する場合、販売手数料や信託報酬、信託財産留保額などの手数料がかかる場合があります。
また、金融機関ごとに取引時間と注文受付時間が定められており、リアルタイム取引はできません。さらに、金融機関によっては扱う投資信託が多すぎて逆に選べない、といったことも起こり得ます。
運用する上でのアドバイス
投資信託で1000万円を資産運用するなら、手数料と提供されるサービスに納得感がある金融機関を選びましょう。
また、種類が多くて選べそうにないなら、銀行を通じて購入するのも一つの手段です。厳選されたものだけを扱っているので、あまり悩まず選びやすいかもしれません。
1000万円でできる運用方法③ロボアドバイザー
ロボアドバイザーとは、AIを活用して投資診断やアドバイスなどを行うサービスです。
運用について助言だけを行う「アドバイス型」と、金融商品の買い付けやリバランスなど運用まで行う「投資一任型」に分類できます。
メリット
アドバイス型のロボアドバイザーであれば、商品選びを手助けしてくれます。
投資一任型のロボアドバイザーであれば、知識がなくても月1万円など少額から資産運用を始められます。また、多くのロボアドバイザーが長期分散投資を前提としてプログラムされているのも大きな特徴です。
デメリット
ロボアドバイザーは、基本的に長期分散投資を前提としたサービスであるため、短期的に利益を得る目的の資産運用には向いていません。また、投資一任型のロボアドバイザーであっても元本保証はされていないので注意が必要です。
運用する上でのアドバイス
NISAでの資産運用を考えている場合、各金融機関でロボアドバイザーの性能が異なるため比較してみましょう。中にはNISA非対応のサービスがあるため、事前に把握しておくと安心です。
1000万円でできる運用方法④ファンドラップ
ファンドラップとは、顧客の運用スタイルおよびリスク許容度に応じて、投資の専門家が資産運用を代行してくれるサービスです。利用する際は金融機関と投資一任契約を結ぶため、基本的には「全部お任せ」になると考えましょう。
メリット
ファンドラップは投資のプロに任せられるため、資産運用初心者でも気軽に始められる上に、自分の考え方や好みに合った投資先を提案してもらえます。
プロが長期分散投資に最適なプランを考えてくれるので、基本的には提案に従えば構いません。
デメリット
ファンドラップには最低投資金額が定められていることが多く、ある程度まとまった投資資金がないと始められません。また、信託報酬および投資一任報酬がかかるため、年間でどのぐらいのコストになるかを確認する必要もあります。
加えて、投資の方針や運用成績は担当者次第の部分もあるため、相性も重要です。
運用する上でのアドバイス
現実的には数100万円からファンドラップを始められる金融機関が多いので、1000万円もあれば運用開始に関しては特に心配することはありません。
始めた後に、担当者の方針に賛同できないなど相性がよくないと感じた場合は、遠慮なく変更を申し出るようにしましょう。
1000万円でできる運用方法⑤FX(外国為替証拠金取引)
FX(外国為替証拠金取引)とは、証拠金を差し入れて、日本円と米ドルなど2つの通貨の為替相場を予想して売買を行う運用方法です。
大きな特徴として、担保となる保証金(証拠金と同義)を活用して、最大25倍(個人の場合)の金額を取引できる「レバレッジ」という仕組みが取り入れられています。
レバレッジとは本来「てこの原理」を意味する言葉で、預けた保証金の何十倍にもなる資金を動かして取引する投資手法を指します。例えば「レバレッジ5倍」だった場合、元手が1万円でも5万円分の取引ができるということです。
メリット
FXのメリットとして、100円など少額から投資を始められることが挙げられます。1,000円程度の元手で実際に投資にチャレンジしてみるのも勉強になるでしょう。取引にかかる手数料が基本的に無料であることが多く、コストがかからないのもメリットです。
また、世界各国で外国為替市場が開かれているため、仕事や家事で忙しくても24時間いつでも自分の好きな時間に取引できます。
加えて、「空売り」といって後日買い戻す契約をしたうえで先に売ることもできるので、相場の上昇局面と下降局面の両方で利益を出せます。
デメリット
FXの注意点やデメリットとして、相場の急激な変動が生じると、短時間に大きな損失が出るリスクがあることが挙げられます。預け入れた証拠金の額以上の損失が出た場合は、追加で証拠金を差し入れなくてはいけません。
前提として、FXを扱う証券会社では、投資家の損失が膨らまないよう「ロスカット」という仕組みを設けています。ロスカットとは、含み損が一定の水準に達したときに、損失の拡大を防ぐべく自動的に強制決済することです。
ただし、急激な変動だった場合はロスカットが間に合わないこともあるので注意しましょう。必要証拠金が必要と判断されたら、直ちに不足分の解消をしなくてはいけません。
解消されない場合は、決済されている前の状態で保有しているすべての通貨が反対売買されてしまいます。(全ポジションの強制決済)
外国為替自体、日本以外の国での政変や紛争などさまざまな要因に左右されるため、正確な値動きの予想が難しいことも注意点として認識しておきましょう。
運用する上でのアドバイス
FXに限ったことではありませんが、十分に勉強したうえで少額から投資を始めましょう。いきなり1000万円のすべてを投資するのは、リスクが大きいため好ましくありません。
また、取引ツールの操作ミスによる誤発注が原因で大きな損失を被らないよう、操作方法はしっかりとマスターしましょう。
レバレッジが大きすぎると少しの値動きで証拠金維持率が100%を切ってしまいます。つまり、含み損が発生している状態であるため、証拠金の不足額の入金もしくは反対売買をしてポジションを手放さなければなりません。
レバレッジは初心者のうちは1~2倍程度、ある程度慣れてきても5倍程度に留めておきましょう。
1000万円でできる運用方法⑥不動産投資
不動産投資とは、簡単にいうと不動産を購入して人に貸し出し、賃料収入を得ることを指します。また、価格相場が上昇しているときなどの売り時に物件を手放すことで、売却益を得ることも可能です。
メリット
不動産投資のメリットとして、物件に入居している限りは家賃収入が得られる点が挙げられます。定年後に生活費の不足分を補う方法としても適しています。
また、投資用物件を購入する際は団体信用生命保険に加入したうえでローンを組むのが一般的です。これにより、物件購入者が亡くなったり、重度の怪我や病気を患い返済が不可能になったりした場合に、保険会社がローンを弁済してくれます。
そして、残された家族は借金のない状態で家賃収入を得られるので、家族の生活保障としても活用できるのが大きなメリットです。
なお、不動産投資に必要な元手は購入する物件によって異なります。ワンルームマンションへの投資なら、1000万円あれば始めやすいでしょう。
デメリット
不動産投資の代表的なデメリットは、自分の物件が空き家になる可能性があることや、周辺の家賃相場の下落の影響を受けてしまうことです。
その結果、家賃収入が途絶えたり、当初の想定より目減りしたりする可能性があるので注意してください。
特に、災害や事故などで土地や建物の価値が下落する可能性は十分にあります。建物に関しては破損のリスクも考えなくてはいけません。
運用する上でのアドバイス
不動産投資は仕組みがシンプルで、初心者でも比較的取り組みやすいのが特徴です。
しかし、国内外の情勢により不動産に対する需要が左右される部分がある以上、不動産市場の状況や物件エリアの人口動向の変化など、さまざまな情報をチェックして、よりリスクを減らす努力を心がけましょう。
1000万円を運用する際の注意点
1000万円はまとまった金額である以上、運用にあたっても注意が必要です。具体的な理由も含め、以下の3つについて解説します。
最初から1000万円を全額投資しない
最初から1000万円を全額投資するのは好ましくありません。万が一損失が発生しても生活できるように、1000万円のうち生活防衛費として3ヶ月~1年分の生活費を預貯金として確保し、少額投資から始めましょう。
1つの金融商品に絞らず分散投資する
1000万円を運用する場合は、1つの金融商品に絞らず分散投資を心がけましょう。資産運用における格言として「卵は1つのかごに盛るな」という言葉があります。
値動きの同じ金融商品ばかりを組み合わせてしまうと、相場が下降局面に入った際に損失が出やすくなります。
つまり、値動きの違う金融商品を組み合わせて1000万円を資産運用すれば、一部の商品で損失が出たとしても別のところで利益が出せるため、大きな損失が生じることは回避できるというわけです。
元本割れリスクがあることを考慮する
資産運用には元本割れリスクがあることを考慮しなくてはいけません。つまり、元本として1000万円を運用したとしても、運用の結果が1000万円を下回る場合もあります。
投資である以上、売却益が出ることも損失が生じることもあると考えて行動しましょう。
まとめ
1000万円ある場合におすすめの資産運用方法を紹介しました。それぞれにおすすめの理由と注意点があるので、比較検討した上で自分の好みやライフスタイルに合ったものを選び、まずは少額から資産運用を始めてみましょう。
資産運用に関する基本的な情報は以下のページでも解説していますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
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