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子どものための貯金は平均いくら必要?大学までにかかる費用や利用できる制度をご紹介

子どものための貯金は平均いくら必要?大学までにかかる費用や利用できる制度をご紹介

子どもを育てる際にはお金がかかりますが、中でもかなりの出費が見込まれるのが義務教育終了後の進学に関する学費です。まとまった金額が必要になる以上、早いうちから貯金で備える必要があります。この記事では、大学までにかかる費用や学費のために利用できる制度を詳しく解説します。

2024年6月25日 ためる・ふやす・そなえる

子どものための貯金はいくらあればよい?

小さい子どもと考える夫婦のイメージ

子どものために貯金する主な理由の1つに「将来必要になる進学費用をまかなう」ことが挙げられます。まずは、子どものための貯金はいくらあればよいのかを考えてみましょう。

子どもが大学を出るまでの教育費の目安

子どもが大学を出るまでの教育費として貯金しておくべき金額の目安を考えるために、幼稚園から大学までの年間学費の平均値を以下にまとめました。

幼稚園~大学までの年間学費の平均額(単位:円)
学校/区分 公立 私立
幼稚園 165,126 308,909
小学校 352,566 1,666,949
中学校 538,799 1,436,353
高等学校(全日制) 512,971 1,054,444
大学 817,800 1,365,281
出典:文部科学省「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等 平均額(定員1人当たり)の調査結果について」 出典:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」 出典:国立大学等の授業料その他の費用に関する省令(平成十六年文部科学省令第十六号)

ここから「大学は私立、それ以外はすべて公立」という進学パターンを仮定し、子どもが幼稚園から大学を出るまでどれだけ教育費がかかるのかを計算すると、以下の結果となりました。

教育費として必要な貯金額の平均値に基づく試算例(大学以外公立、大学は私立)
幼稚園 16万5,126円×3年=49万5,378円
小学校 35万2,566円×6年=211万5,396円
中学校 53万8,799円×3年=161万6,397円
高等学校 51万2,971円×3年=153万8,373円
大学 ・1年次:136万5,281円×1年=136万5,281円
・2~4年次:95万9,205円×3年=287万7,615円

※1年次は入学料25万1,164円、施設設備費23万1,743円がかかると仮定。
合計 1,000万8,440円

あくまで平均値を元に計算した数値であり、細かい条件は個々の状況によって異なるため一概にはいえませんが、少なくとも1,000万円はかかると考えて子どものために貯金をしておくとよいでしょう。

子どもの進路次第で必要な貯金額は変わる

子どもの学費を貯金する場合、考えなくてはいけないこととして、子どもの将来の進路が挙げられます。中学受験をさせるのか、大学・短大・専門学校ではどのような学部や専攻に進むのかによって、かかる費用や必要になる貯金額がまったく異なるためです。

わかりやすい例として、国立大学文系学部(経済学部・法学部・文学部など)に進んだ場合の4年間の学費と、私立大学医歯学部に進んだ場合の6年間の学費の平均額を比べてみましょう。

国立大学文系学部と私立大学医歯学部の学費の比較
国立大学文系学部 28万2,000円(入学料)+(53万5,800円(授業料年額)×4年)=242万5,200円
私立大学医歯学部 482万1,704円(初年度納入金)+(286万3,713円(授業料年額)×5年)=1,914万269円
出典:文部科学省「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等 平均額(定員1人当たり)の調査結果について」 出典:国立大学等の授業料その他の費用に関する省令(平成十六年文部科学省令第十六号)

国立と私立では単純計算で8~9倍違いますが、実際は寄附金や教科書代などの雑費も必要になることから、より大きな差が開く傾向があります。

また、医歯学部の場合、学校によっては「1年生は全員寮生活をする」などのルールがあり、平均値よりもはるかに高い学費がかかることもあります。

保護者もしくは子ども自身が、学費が高い分野の学部や専攻への進学を望んでいる場合は特に、学費を払うためにどうすれば必要額を貯金できるか、他に使えそうな制度がないかを長期的なスパンで考えましょう。

子どものための貯金を始めるタイミングと毎月の貯金額の目安

電卓を持って悩む夫婦のイメージ

子どものために貯金を始めるタイミングは早いに越したことはありません。ただし、子育てには将来の学費以外にも費用がかかる以上、無理のない範囲で貯めていく必要があります。

そこで、1つのモデルケースとして以下の条件で子どものために貯金を続けた場合、大学入学時(18歳)までにいくら貯まるのか計算してみましょう。

なお、子どもが大きくなるにつれ生活費がかかる傾向にあることから、家計への負担を考え段階的に貯金額を減らしています。

子どものために貯金を続ける条件
  • 0歳~6歳:毎月5万円貯金
  • 7歳~15歳:毎月3万円貯金
  • 16歳~18歳:毎月1万5,000円貯金

※貯金を続けるにあたり、利息および税金は発生しないものと仮定

この場合、合計貯金額は738万円になります。子どもが、医歯学部など学費が高い学部や専攻への進学を望んでいる場合を除けば、私立大学に行く場合でもそれまでの貯金額で賄うことは可能でしょう。

子どものための貯金に利用できる制度5選

通帳を確認する女性のイメージ

子どもの学費を貯金するため、もしくは学費に充てるために利用できる一般的な方法として、次の5つを解説します。

①児童手当

児童手当とは、中学生までの子どもを育てていて条件を満たす人に支給される手当のことです。なお、2024年12月からは所得制限が撤廃されるうえに、高校生も支給の対象となるなど制度が大幅に拡充されます。

現状(2024年11月まで)と拡充後(2024年12月以降)の支給額を、以下で比較しました。

児童手当の支給金額
年齢/区分 現状(2024年11月まで) 拡充案(2024年12月以降)
0~2歳 1万5,000円 1万5,000円
3歳~小学生 1万円※第3子以降は1万5,000円 1万円※第3子以降は3万円
中学生 1万円 1万円※第3子以降は3万円
高校生 なし 1万円※第3子以降は3万円
所得制限 あり なし

拡充後の金額を基準にした場合、子ども(第1子)が生まれてから高校を卒業するまでに受け取れる児童手当を全額貯金したとすると、234万円になります。

これだけあれば、医歯学部など学費の高い学部や専攻に進学する場合を除き、大学入学時の入学金や設備費、1年次の学費は十分賄えるでしょう。児童手当については以下の記事でも解説しているので、参考にしてみてください。

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②銀行の定期預金・積立預金

銀行の定期預金や積立預金を使って、子どものために貯金する方法もあります。一般的かつ手軽に始められ、着実に貯金ができるのがメリットです。

祖父母などから教育資金の贈与を受けられた場合は、定期預金や積立預金の口座に入金し、高校や大学入学時などお金が必要になったタイミングですぐに引き出せるようにしておくと便利です。

ただし、金利が低いため貯金した金額より大きく増えないというデメリットがあります。効率的に貯金をするなら、子どもが小学校以降で必要になる程度の額をまずは確保し、残りは学資保険や金融資産の運用など他の方法で準備するのがおすすめです。

③学資保険

子どものために貯金をする理由が「大学・短大・専門学校進学時の学費を貯めるため」であれば、学資保険を使うのも1つの手段でしょう。学資保険とは生命保険の一種で、子どもの学費を貯めることを目的とした商品です。

原則として保護者が契約者になり、毎月保険料を払い続けていくと、高校や大学の入学時に満期保険金が受け取れます。また、保険料の支払い期間中に保護者に万が一のことがあって支払えなくなった場合は、保険料の支払いが免除される仕組みです。

万が一のことがあったとしても着実に学費を用意できるうえに、支払った保険料は生命保険料控除として所得税の計算に当たって差し引けるので、節税にもつながります。

ただし、満期を待たず早期解約をすると払い込んだ保険料の合計額より受け取れる満期保険金が少ない「元本割れ」の状態になることもあるため、契約する際は念頭に置いておきましょう。

④教育ローン

教育ローンとは、高校や大学などの学費、学習塾や習い事の費用など「教育に関する費用」の支払いに充てるための融資商品です。具体的にどのような目的で利用できるかについては、提供元となる金融機関によって差があるので事前に確認しましょう。

教育ローンは、日本政策金融公庫の教育一般貸付=国の教育ローンと民間金融機関が提供する教育ローンの2種類に分類できます。国の教育ローンは、教育の機会均等を目的に掲げているため、一般的なローンとは異なり世帯年収が低くても利用できる可能性があります。

これに対して、民間金融機関が提供する教育ローンはあくまで営利を目的としているため、世帯年収が低い場合、審査に通らない場合もある点に注意が必要です。それぞれのメリットとデメリットを以下の表にまとめたので、参考にしてみてください。

国の教育ローンと民間金融機関が提供する教育ローンの比較
項目 国の教育ローン 民間金融機関が提供する教育ローン
メリット ・低金利かつ固定金利
・世帯年収が低くても利用可能
・ひとり親、低所得世帯であれば優遇が受けられる
・限度額が大きくなることもある
・固定金利、変動金利が選べる
・金融機関により独自の優遇がある
デメリット ・審査に時間がかかる
・世帯年収が高いと利用できない
・金利が国の教育ローンに比べると高い
・一定以上の年収がないと利用できない可能性がある

⑤NISA

NISAとは「少額投資非課税制度」といって、一定の条件を満たす形で専用の口座を通じ、株式や投資信託など所定の金融商品を運用した場合、配当金や運用益、売却益にかかる税金が免除される制度です。

少額から始められるうえに、やり方次第では着実に資金を増やせるので、高校や大学の入学のタイミングで学費に充てられます。

子どもの学費のために貯金する場合にも利用できる手段ですが、投資である以上一定のリスクがある点には注意しましょう。

NISAはリターンによって貯蓄が増える可能性もある

NISAの特徴は、主な投資方法である「長期・分散・投資」によってリターンが見込め、貯蓄が増える可能性があることです。もちろん、子どものための貯金をする目的で使っても構いません。

投資である以上一定のリスクはあるものの、長期間保有をするほど軽減されていくので早めに始めるとよいでしょう。

NISAを始めるには専用の口座が必要になりますが、証券会社だけでなく、貯金用の口座を持っている銀行などの金融機関でも開設できます。

足利銀行でNISA口座開設

子どものために貯金をするときの注意点3つ

書類を確認する夫婦と父親の膝の上に乗る子どものイメージ

将来の学費を含め、子どものための貯金は欠かせませんが、何気なく進めたことが思いがけないトラブルの引き金になる可能性があるため注意が必要です。ここでは具体的な注意点として3つ解説します。

①子どもの学費専用貯金口座を作る

子どものために貯金をする際は、学費専用貯金口座を作るなど、生活費用の口座と明確に区分しましょう。親と子どもが同じ口座を使うと管理がしにくくなり、思ったように貯められない可能性が高くなります。

②貯金口座の通帳やキャッシュカードは子どもに管理させる

子どもが大きくなったら、子ども名義の貯金口座の通帳やキャッシュカードは、子ども本人に管理させましょう。

あくまで子ども名義の貯金口座は子どものものであるため、18歳を迎えたら親が出金、解約することは極めて難しくなります。本人の委任状が必要になるため、遅くても18歳を迎える前までには子どもに預けることが望ましいです。

③贈与税がかかる可能性がある

子どものために親が貯金をした場合、状況次第では贈与税がかかる可能性があるので注意しましょう。口座の名義と実際に管理を行う人物が異なる「名義預金」と判断された場合、贈与税がかかります。

例えば「子どもの大学進学資金として300万円を贈与した」場合、15%の贈与税が発生するため子どもが19万円を払わなくてはいけません。

これを防ぐには、教育資金の一括贈与制度や暦年贈与制度を使う方法を検討してみましょう。手続きが難しく感じたら、税理士や税務署に相談するのがおすすめです。

まとめ

本を開いて人差し指を立てる女性のイメージ

子どものために貯金をする目的が大学進学の場合、相応の学費がかかるため早いうちから取り組むのが望ましいです。ただし、それぞれのご家庭に合わせて貯金方法を考える必要があるので、ファイナンシャルプランナーなどの専門家や金融機関に相談してみましょう。

以下の記事では大学の学費について詳しく解説しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

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