【20代向け】貯金はいくらあれば安心?平均額と今日からできる貯金のコツをご紹介
20代がお金を使ううえで感じる疑問の1つが「貯金はいくらあれば安心なのか」です。貯金は多いほど安心できるとはいえ、収入の全額を貯金に回すのは現実的ではありません。今回は、さまざまなデータを用いて20代は貯金がいくらあれば安心なのかについて解説します。無理なくできる貯金のコツもご紹介するので、参考にしてください。
20代では貯金がいくらあれば安心できる?
貯金は多ければ多いほど安心なのは確かですが、20代のうちは仕事を始めて間もない時期である以上、余裕をもって貯金するのが大変という方も多いのではないでしょうか。
その点を踏まえつつ、20代は貯金がいくらあれば安心なのかをさまざまなデータを用いて検証してみましょう。
20代の平均貯金額は176万円
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] (令和4年)」によると、20代における金融資産保有額の平均額は「176万円」です。
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 4 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む) <問2(a)> 」20代で金融資産を保有していると答えた人の割合は65.5%、保有していないと答えた人の割合は34.5%でした。
20代といっても、大学を卒業したばかりの新入社員が多い20代前半と、ある程度は仕事に慣れてきて結婚や出産、マイホーム購入などのライフイベントが多い20代後半とではやや事情が異なるのも事実です。
20代が実際にいくら貯金できるかは、一人暮らし・実家暮らしのどちらか、勤務先や職種、暮らしている地域によっても異なるため一概には言えません。ただし、20代で貯金額が176万円を大きく上回っているなら、かなり貯蓄できているといえるでしょう。
生活費の半年分を目標に貯金する
これから安心できる金額の貯金を考えている20代の人は、まずは現実的なラインとして生活費の半年分を目標にしてみましょう。
病気やケガなどで急に仕事ができなくなった場合でも、安心して生活できるよう手元に置いておくべき貯金のことを「生活防衛資金」といいます。
生活防衛資金は一般的に生活費の3~6ヶ月分が目安とされるため、仮に1ヶ月の生活費が16万円の場合は、48万円~96万円を貯める計算になります。20代の人は少し余裕を持ち、50万円~100万円程度貯金しておくとより安心感を得られるでしょう。
【ライフイベント別】20代で貯金はいくらあれば安心?
人生ではさまざまなライフイベントが発生しますが、先立つものがないとスムーズに迎えることはできません。ここでは、20代が経験する主要なライフイベントごとに、おおよその安心できる目安となる貯金の目標額を解説します。
「この場合、20代で貯金はいくらあれば安心か」を把握するのにお役立てください。
20代で【一人暮らし】をする場合
社会人になったり、進学したりするタイミングに伴い20代で一人暮らしを始める場合、貯金はいくらあれば安心かを考えてみましょう。
大まかな目安ですが、アパートなどの賃貸物件を契約する場合、敷金や礼金、仲介手数料を含めた諸費用は家賃の4~6倍かかるといわれています。つまり、毎月の家賃が6万円の部屋に住むとしたら、24万円~36万円が必要な計算です。
さらに引っ越し代や家具、家電、消耗品なども買わなくてはいけません。これらの諸費用が15万円~25万円程度と仮定すると、トータルで40万円~60万円ほど用意すれば安心といえるでしょう。
ただし、こだわりがなければ中古の家具や家電を使う、シェアハウスに住むなどのコツを取り入れれば、大きくコストをカットできます。一人暮らしの費用については、以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてください。
20代で【結婚式】をする場合
20代で結婚式を挙げる場合、貯金はいくらあれば安心なのか気になる20代の人も多いでしょう。
リクルートブライダル総研がまとめた「ゼクシィ 結婚トレンド調査2023調べ」によると、茨城・栃木・群馬の3県での挙式や披露宴、ウエディングパーティー費用総額の平均額は、全国で327万1,000円とのことでした。
また、茨城・栃木・群馬の結婚費用の平均貯金は292万2,000円です。目安として、2人で300万円を目標に貯金すれば安心できるでしょう。
もちろん「いくらあれば20代で安心して結婚式を挙げられるか」というのは、希望する結婚式の規模によっても異なります。
親族や友達を大勢招待したいのならある程度費用を多めに見積もる必要がある一方、親族やふたりだけで挙式をしたいという場合は、相場より少ない費用でも安心できるはずです。
また、両家の親など親族から援助が受けられる可能性があるため、余った分は新生活のための費用として取っておくと安心です。
参考:リクルート「ゼクシィ 結婚トレンド調査2023調べ」20代で【マイホーム】を買う場合
20代でマイホームを購入したい場合、貯金はいくらあれば安心かを確かめるなら「住宅ローンを組む際に用意する頭金」を基準にしましょう。
そもそもマイホームを買う際に利用できる住宅ローンは、頭金を用意することで審査通過率が高くなり、毎月の返済が楽になります。
20代から余裕を持って返済することを重視するなら、返済比率20%~25%で返済計画を立て、そこから必要な頭金を逆算してみましょう。返済比率とは収入の額面に対する住宅ローンの返済額の割合を指します。
仮に20代で年収400万円の場合、年間返済額は80万円~100万円(毎月6万6,000円〜8万3,000円の返済)になる計算です。これを「借入期間35年、住宅ローン金利1%、ボーナス返済なし」の条件で考えると、約2,330万円〜2,940万円の借入ができます。
仮に物件価格の15%を頭金として用意すれば、約2,740万円~3,460万円の物件を購入可能です。頭金の必要額は約410万円~520万円になるので、貯金がいくらあれば安心かの参考にしましょう。
実際は家具や家電の購入代、手数料などの諸経費もかかるので、その点も織り込んで考えてください。親や祖父母から資金援助が受けられる際は、有効活用するのも重要です。
20代で【子供】が生まれる場合
20代で子供が生まれる場合、100万円程度貯金をしておけば安心できるでしょう。
厚生労働省の統計によれば、令和3年度の全施設の平均出産費用は46万7,000円でした。出産育児一時金が支給されるため、平均出産費用に収まっているなら自己負担額はゼロになります。
出典:厚生労働省(出産費用の実態把握に関する調査研究(令和3年度)の結果等について)しかし、都市部での出産や個室での入院を希望するなど、いわゆる「セレブ病院」(入院費が高い病院、産院などの医療機関)を使う場合は、予算が跳ね上がるので注意しなくてはいけません。
また、子育て世代向けのフリーマガジンを発行する株式会社ニコ・ワークスの調査によれば妊娠から出産にかかる費用は出産準備品を含めると67万8,702円という結果になりました。
出典:株式会社ニコ・ワークス「妊娠・出産から0歳育児までにかかる費用は約110万円!妊婦さん・子育てファミリーの消費実態を調査|親育子育ラボ・babyco」忙しさや産後の体調不良が原因で家事ができない場合には、家事代行サービスの利用など雑費が生じることも考え、100万円よりも多めに貯金しておくと安心です。
20代が安心して効率よく貯金をするためのコツ5つ
20代で「一人暮らしをしたい」「結婚式を挙げたい」など、さまざまな目標に向けて貯金をしたいと思っても、やみくもに取り組むのはおすすめできません。
貯金は多ければ多いほど安心できるというメリットがあるものの、人付き合いや自分の健康が犠牲になっては本末転倒です。
まず、これまで説明した「20代で貯金はいくらあれば安心か」という数値を参考に、貯金の目標金額と目標をいつまでに達成したいか期限を決めるのが重要です。そのうえで、以下で解説するコツを心得て進めていきましょう。
先取り貯金をする
働き盛りの20代なら、先取り貯金を取り入れることで着実にお金を貯められます。給与が入ったら、手取り収入の15%~20%を先に貯金専用口座などに入れ、残ったお金で生活費などをやりくりしましょう。
なお、手取り収入の額面給与に対する割合はおおよそ8割と考えてください。例えば、額面給与が25万円だった場合の手取り収入は20万円程度なので、1ヶ月あたりの貯金額は3万円~4万円程度になる計算です。
目安よりも多い額を貯金しても構いませんが、20代で健康面や周囲との人間関係などの生活に支障をきたさない程度にとどめておくのも重要な貯金のコツとなります。
家計簿をつける
貯金ができないと悩む20代の人は、そもそも収支管理がうまくいっていないのが原因である場合が多いです。
思い当たる節があるなら、まずは現在の家計状況を把握するために家計簿をつけてみましょう。2~3ヵ月程度続ければ、毎月発生する支出の傾向が見えてくるはずです。
最近はアプリでも手軽に家計簿をつけられるので、これまで家計簿をつけたことがなくても手軽に始められるでしょう。細かい記録でなくても「食費が多めかも」といった大まかな傾向を把握できれば十分です。
固定費を見直す
20代が節約して貯金する意味では、固定費の見直しも有効です。以下では、身近な生活の場面を想定して具体例をまとめました。
- 電気代やガス代の料金プランを切り替える
- スマホの料金プランを切り替えたり格安スマホに変更したりする
- 利用していないサブスクは解約する
- 生活に支障をきたさない範囲で家賃の安い場所に住む
固定費の見直しは、一度行えば長期間にわたって節約効果が見込めるのが大きなメリットなので、ぜひチャレンジしてみましょう。
また、電気代やガス代、スマホ代は一度見積もりを取り、本当に変更することで安くなるのか検証するのが貯金のコツです。
安くなる費用があまり見積もれず他に切り替えるメリットもないようなら、あえて切り替えをせず他に節約効果が見込める項目を検討してみましょう。
貯金用口座を作る
20代が先取り貯金と関連して取り組むとよい貯金のコツが「貯金用口座を作ること」です。
金融機関によっては、指定した口座へ毎月決められた日に一定額を別の金融機関の口座に振り込んでくれる定額自動送金サービスを設けていることがあります。貯金を楽に続けたいのなら、ぜひ取り入れたいコツのひとつなので一度チェックしてみましょう。
一度設定しておけば自動的に振込処理を行ってくれるので、自分で何かをする必要もありません。煩わしさから解放されるうえに、20代で安心して着実に貯金をしていけるメリットがあります。
資産運用をする
20代である程度貯金ができてきたら、資産運用にもチャレンジすると効率的に資産を増やせます。特にNISA(少額投資非課税制度)を使えば、金融商品の運用益が非課税になるため、さらに効率的な運用が可能です。
ただし、損失を被るリスクがあるため、あくまで生活防衛資金を確保したうえで最初は少額の投資から始めましょう。毎月1,000円から始められる積立投信もありますので、自身の貯蓄計画に合わせて検討してみましょう。
足利銀行でもNISAの口座開設が可能です。
足利銀行でNISA口座開設資産運用についてのご相談も無料で承りますので、興味がある方はご利用ください。
資産運用について足利銀行へ相談する(来店予約はこちら)資産運用の種類については以下の記事でも詳しく解説しているので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。
まとめ
20代で貯金がいくらあれば安心なのかという問いに対する答えは「人それぞれ」です。一人暮らしや結婚、出産など重要なライフイベントの予定があるなら、ある程度まとまった金額は必要でしょう。
直近で予定がなくても、最低限の生活防衛資金として生活費の3~6ヶ月分は貯めておくと安心です。貯金ができず毎月赤字に陥っているという20代の人は、まずは月1万円からでもよいので先取り貯金にチャレンジしてみましょう。小さな成功体験を積んでいくことで、日々節約の工夫をして楽しく貯金や生活をするモチベーションにもなります。
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