地域の豊かさへの挑戦
活躍する女性行員

ママさんCAが語る、仕事と育児の両立法

結婚し、ママになっても、仕事は続けたい。
長く働いて、キャリアを磨きたい。そう考える女子学生の方は、多いと思います。
政府も女性活躍に資する働き方改革の推進を示し、働く女性が家事や育児と仕事を両立するための支援制度の整備や長時間勤務の是正を企業に求めています。
足利銀行では女性活躍の推進とワークライフバランスの実現に向けた様々な取り組みを実施中です。
育児休暇から復帰し、CAの仕事と家事・育児を両立するママさん行員から話を聞きました。

今福 茉亜紗

Imafuku Maasa

カスタマアドバイザー 係長

(2004年入行)

和久 千香子

Waku Chikako

次長

(1993年入行)

今福さんは、産休と育休を取得され、CAの職務に復帰されたそうですね。

今 福 はい、そうです。今、幼稚園の子どもが一人いるのですが、その子を出産した後に育児休暇で1年5か月お休みしました。妊娠中は出産予定日の1か月前までフルタイムで働き、産休に入りました。

ご出産前の勤務も、育休からの復帰後も、どちらも大変そうですが。

今 福 妊娠中は体調面の波もあるので、正直きつい時もありました。業務時間や数字的な目標は基本的に変わらないので、できるだけ仕事の能率を上げてこなしていました。復帰後は本当に苦労しました。1年半近くブランクがあると職場環境、取り扱う商品、端末操作やシステム、手続き書類など色々なことが変わっていて簡単には対応できなかったです。苦労するのは育休中もわかっていたので、休みに入って1年を過ぎた頃から自宅でホームページを見て商品をチェックするなど、ある程度の準備はしていたのですが、それでも現場業務の変化の方が速くて・・・。それと相場関係を離れると、こんなにも変わるのかということにも驚きました。

和 久 私自身、産前産後の8週間休んで復帰した経験がありますが、やはり大変ですね。子どもが小さなうちは夜泣きもあるから睡眠もままならないですし、勤務中に子どもが急に熱を出してどうしても帰らなければならないこともあります。そんな中で今福さんは復帰後もよく頑張っているなと思っていましたよ。

今 福 周りの皆さんにご迷惑をおかけしないように、とにかくできることはきちんとやるということと、早くブランクを埋められるように最初の頃はパンフレットを持ち帰って家事と育児が終わってから商品の内容や税制のことを勉強していました。それでも和久次長がおっしゃるように子どもが急に体調を崩すこともあるので、そういう時は職場のみなさんにカバーしていただきました。和久次長もそうですが、支店長をはじめ周りの方の理解がある職場環境に恵まれていて、ありがたいなと思っています。

和 久 女性行員が家事と育児をやりながら仕事もしっかりと両立できる環境づくりは、当行にとっても重要な取り組みテーマです。育児休暇や時短勤務など制度面の整備も大切ですが、職場内での対応力や連携、行員全体の理解が必須だと思います。保育園に預けている小さな子どもが急に体調を崩すというのは当たり前に起こることですから、そこでママさんが仕事を切り上げて退行することもある意味で想定内ですよね。そういう時に業務に支障をきたさないよう、周囲がサポートする態勢をつくっておく必要があります。私たち管理職が十分に配慮して、職場全体で共有するように努めています。

育児をしながら、仕事を続けていくコツはありますか。

今 福 やはり制度利用は仕事を続けるための大きな要素だと思います。言葉はよくないかもしれませんが、「使える制度は最大限使う」ということです。子どもが小さいうちは育児勤務、時短勤務などの制度を利用して家庭にいられる時間、子どものために使える時間をできるだけ確保したいと思っています。その点は当行の制度は整っていますし、利用しやすいと思います。それと私が大事だと思うのは、子どもとともに自分自身も規則正しい生活を心がけ、疲労やストレスを溜めないようにすることです。夜泣きもあるし、なかなか寝ないときもある。それはある程度仕方ないのですが、できるだけ早寝早起きを習慣づけることはできます。体力だけでなく精神的に安定していると仕事も育児も循環が良くなります。

今 福 母親としての自分と、銀行員としての自分という「二つの自分」のバランスを取ることが大切ですね。特に復帰後はブランクを補うのに時間がかかるのは当然のことなのですが、うまくできない焦りや周囲への引け目を感じてしまいがちです。また朝家を出る時に子どもの体調が少し悪いなあと感じた日などは、仕事をしていても気になってしまうというのもあります。環境が変わる時は、誰だってキツイんです。二つの自分と葛藤して精神的に追い込まれることがないように、フォローしていきたいと思っています。

時間の制約が他の行員よりも厳しい状況だと、
仕事を効率的に行うことが必要ですよね。

今 福 そうですね。いま子どもを預かり保育のある幼稚園に通わせていますが、夕方、園にお迎えに行かなければならないので時短勤務(9時-16時)を利用しています。16時ぴったりに退行するために限られた時間内にどうやって仕事をすればよいかを自分なりに模索しました。私はCAとして達成すべき目標数字もあります。仕事に対して甘えをもつのは自分でもすごく嫌なので、やるべき仕事、果たすべき目標はきちんとクリアすることが前提です。業務のやり方として心がけていることが二つあります。一つは時間の使い方。仕事自体の量は減らないので、時間内の仕事の密度を濃くします。それには1日ごと、あるいは週単位までの綿密な段取りが大切になってきます。時間内のキャパを超えてしまうとマイナスになるので自分が適確に処理できる量をきっちりと積んでいく考え方です。もう一つは、作業のやり方です。一つひとつの仕事をもっと早く終わらせる方法はないか。仕事の質を落とすことなく、かける時間を最短にするやり方を考えました。私はCAですので日々お客さまと対面で資産運用に関する色々なお話をします。時には金融以外の雑談もありますし、窓口でのご相談ではお客さまとの関係づくりでそういう時間も必要です。業務の質的に短縮できる部分とそうでない部分をよく考えて、作業効率を上げられるところはないかを見直しています。

和 久 実は業務を効率化して時間短縮を図ることは、女性行員だけでなく銀行全体として推進していく課題なのです。日本の企業にしみついた長時間勤務の是正は、国の働き方改革に示されている重点課題の一つです。当行も全行員に対して定時退行を励行していますし、仕事とプライベートの両方を充実させるワークライフバランスを推し進めています。早く仕事を終わらせ、早く帰宅して家庭での時間や余暇を楽しむことができれば、結果として心身ともに良い状態で、また質の良い仕事ができます。この営業店で働く行員のみなさんにも、そういった好循環をつくってほしいと思っています。その意味で、今福さんたちのような家事・育児と仕事の両立を目指して業務効率のための工夫を取り入れているママさん行員の努力と経験は、もちろん大変ではあるのですが、成功事例として後の人たちにも大いに参考になるでしょう。

時間効率、作業効率の他に、意識していることはありますか。

今 福 どんなに仕事の効率性を高めて、日々何とか乗り切れていても、やっぱり不測の状況というのは生じます。先ほどからお話しいているように子どもが園で急に発熱してしまったら、すぐに帰らなければならないですし、朝の時点で体調がとても悪ければ、お休みを取るしかありません。こういう時は申し訳ないのですが、周りの方のサポートに頼ることになります。ですから私はつねに、自分の仕事の状況を他の方にもわかるように可視化と情報共有に努めています。万一私が半日や1日、仕事ができない場合でもサポートしていただく方が連携しやすいように意識して業務にあたっています。例えばまだ経験の浅い後輩のCAには、平時からしっかりと業務の流れと分担、お客さまへの対応のなどを説明しておくことが大切ですね。

率直に伺いますが、仕事を続けるのは無理かな、と思ったことはありますか。

今 福 完全に諦めたことはないですが、「本当に続けられるかな」と思ったことはあります。結婚して家事も色々やらなければならなくて、でも仕事は忙しい状況が続いた時に、この先、大丈夫かなとは思いました。同年代の知り合いにも結婚や出産を機に仕事を辞める人もいましたし。また育児休暇をとっている間も「本当に仕事に戻れるのかな」と考えたりはしました。ただ、私はCAの仕事が好きでしたので、やっぱり続けたかったんですね。主人とも相談して、家事も育児も仕事も無理しすぎない範囲で、やれるだけ精一杯やってみようと。それでどうしても難しくなったらその時は仕方がない、という感じでしたね。幸い今のところは何とか続けられていますし、これからもできる限りCAの仕事をやっていきたいです。結婚して出産する前よりも効率的に仕事ができるようになったと思いますし、自分自身の成長も感じています。

和 久 女性の仕事観については色々な考え方があるので一概には言えないのですが、仕事を続けることは収入を得る目的だけでなく、地域や社会に貢献したり、自分の能力を伸ばすことで自己実現を目指せるなど、得られる様々な価値があります。今福さんのように目の前の仕事に対してこれを自分なりにどうできるかを考えたり、仕事を通して接する人、例えば一緒に働く仲間や、お客さまに何を与えられるかについて考えることもそうです。また、これからの社会は労働人口が減少していきます。それは銀行も例外ではありません。職場で女性が力を発揮していくことは、会社が持続的に成長するうえで欠かせない要素です。一方で女性には結婚、出産というライフイベントがありますから仕事のキャリアを途絶えさせないように、会社側が用意した制度を利用しながら、うまく折り合いをつけられる人が増えていくことが望ましいと思っています。

足利銀行でCAの仕事を続けるモチベーションは何ですか。

今 福 一つは足利銀行への愛着です。私が当行への内定が決まった年、ちょうど経営破綻がありました。内定した後にそのニュースを知って本当にびっくりし、入行して大丈夫なのか迷いましたが、人事の方々の誠実な対応を信じて入行を決めました。それから10年以上CAとして続けてきましたが、その間、会社としては野村ホールディングスへの買収があったり、リーマンショックを経験したり、2016年には常陽銀行と統合してめぶきフィナンシャルグループの一員になるなど、色々なことがありました。でも営業店の現場で働いていて、地域のお客さまと誠実に向き合い、お役に立とうとする当行の姿勢は何も変わっていなくて、私自身もその姿勢を大事にしてきたつもりです。お仕事を続ける中で当行への愛着と信頼は深まっています。もう一つは、先ほども言いましたがCAという仕事が好きだからです。ご相談係としてお客さまとお話しているときが一番楽しいですね。結婚して子どもができ、家庭を持つようになって、お客さまのライフプランに応じた資産運用の提案に、自分の生活目線を生かせる場面が増えてきました。CAの仕事は、自分の人生経験とキャリアが重なりながら、前へ進むものだと感じます。これからも家庭と両立しながらお客さまに喜んでいただけるご提案ができたらいいなと思っています。

和 久 確かに子どもを育てた経験がCAの提案に役立つことはありますね。また女性は、お得なこと、良い情報にすごく敏感です。そして男性より女性の方が生活感を持っていますよね。自分が納得したものに対してご案内できる力、身近な生活感、ライフスタイルを踏まえて自分の言葉で伝えられるのは女性行員の強みでしょう。CA以外にも営業店には女性が活躍する仕事がたくさんあります。窓口を後方から支える仕事や融資に関連する業務など、キャリアプランも職種によってきちんと用意しています。長く仕事を続けていきたい、総合職としてキャリア磨きたいという女子学生には、やりがいのある職場だと思います。この営業店には、62歳の女性も働いています。お孫さんと一緒に住んでいるそうです。毎日、いきいきしていますね。